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地方自治体にとって、地域外から人を集めて地域を盛り上げるのは、圧倒的な観光地がない限り非常に困難です。そこで頼りにされるのが、プロ野球チームの地方巡業やJリーグ・Bリーグなどのスポーツ開催によるアウェイサポーターやアウェイファン、ブースターの来場です。
なぜ、地域創生とスポーツの組み合わせに有効性があるのでしょうか?将来予測も踏まえて考えてみましょう。
1. スポーツ開催がもたらす直接的な経済効果
スポーツ開催がもたらす直接的な経済効果とは、チケット売上や物販収入などのイベント主催者の収益です。
これらは、主催者が地元企業や団体と連携して開催すること。それによって、地域経済に還元されます。例えば、プロ野球チームの巨人軍は、2019年に全国16都市で地方巡業を行いました。それによって、約10億円の収益を上げました。そのうち約7割が地元企業や団体に還元されたといいます。
このように、スポーツ開催は、地域にお金を落とすだけでなく、地域の産業や雇用を支える役割も果たします。また、地域のインフラ整備や施設改善にも貢献します。例えば、ラグビーワールドカップ2019では、開催地となった12都市が約300億円を投じて競技場や交通機関などを整備しました。これらは、スポーツ開催後も地域住民の利便性や快適性を高めることになります。
2. スポーツ開催がもたらす間接的な経済効果
スポーツ開催がもたらす間接的な経済効果とは、アウェイサポーターが宿泊や飲食などで消費する金額です。
これらは、地域の観光資源や特産品をアピールすることで増加させることができます。
例えば、Jリーグの徳島ヴォルティスは、2018年にホームゲームで約1万人のアウェイサポーターを集めました。その際、徳島県内で約2億円の消費が発生したと推計されています。このように、スポーツ開催は、地域の魅力を発見するきっかけを提供します。また、それだけでなく、地域の消費を促進する効果もあります。
また、スポーツ開催は、地域の観光振興や産業育成にも貢献します。例えば、Bリーグの琉球ゴールデンキングスは、沖縄県の観光大使としても活動しています。沖縄の文化や歴史を紹介するイベントを開催する。地元の特産品を販売するしています。これらは、スポーツ開催以外の時期にも観光客を呼び込むことになります。
3. スポーツ開催がもたらす広告効果
スポーツ開催がもたらす広告効果とは、テレビやインターネットなどのメディアで放映されること。それによって、地域の知名度やイメージを向上させることです。これは、将来的に観光客や移住者を増やすことにつながります。
例えば、Bリーグの秋田ノーザンハピネッツは、2019-20シーズンに全国放送された試合で約1000万人の視聴者を獲得しました。その際、秋田県の魅力や特色を紹介するコーナーが設けられました。このように、スポーツ開催は、地域のブランド力を高めること。それによって、地域の認知度や魅力を高める効果もあります。
また、スポーツ開催は、地域の情報発信や交流促進にも貢献します。例えば、Jリーグの松本山雅FCは、自身の公式サイトやSNSで松本市や長野県の情報を発信しています。それによって、ファンとのコミュニケーションを図っています。これらは、スポーツ開催以外のメディアでも地域の魅力を伝えることになります。
4. スポーツ開催がもたらす社会的な効果
スポーツ開催がもたらす社会的な効果とは、地域住民やファンが一体感や誇りを感じることです。これは、地域の活性化やコミュニティの形成に貢献します。
例えば、ラグビーワールドカップ2019では、日本全国で12都市が開催地となりました。その際、各地でボランティアや応援イベントが盛んに行われました。それによって地域の人々が国際的な交流を楽しみました。このように、スポーツ開催は、地域の人々が一丸となって取り組むこと。それによって、地域の活気や絆を強化する効果もあります。また、スポーツ開催は、地域の教育や福祉にも貢献します。例えば、プロ野球チームの楽天イーグルスは、仙台市や宮城県の小中学校で野球教室を行ったり、被災地で支援活動を行ったりしています。これらは、試合開催時期以外で地域に貢献することになります。
まとめ
スポーツ開催は、直接的・間接的・広告・社会的な経済効果を通じて、地域創生の切り札となることができます。しかし、それには、主催者や自治体、企業や団体、住民やファンなど、多くの関係者が協力して取り組む必要があります。スポーツを通じて、地域の魅力を発信し、地域経済を活性化し、地域社会を豊かにしましょう。