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2023年5月17日、日経平均株価が一時3万円を超えました。これは2021年9月28日以来、約1年8カ月ぶりのことです。
バブル期並みの高値を付けた株式市場には、多くの投資家や一般人が注目しています。
しかし、なぜそこまで好調なのでしょうか?
これはあとどのくらい続くのでしょうか?
働き手に還元はあるのでしょうか?
この記事では、日経平均3万円越えの背景と関連性、そして将来について考えてみたいと思います。
1.日経平均3万円越えの背景
日経平均株価が3万円を超えた背景には、主に以下の要因があります。
- 新型コロナウイルス感染症の収束期待
- 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、社会活動や消費が回復しつつある
- ワクチン接種率が高まり、感染者数や重症者数が減少傾向にある
- インバウンド(訪日外国人)や海外旅行などの需要が復活する見込み
- 円安・ドル高基調
- アメリカのインフレ率が高まり、金利上昇や金融引き締めの観測が強まっている
- 日本のインフレ率は低く、金融緩和が継続されると見られている
- 円安・ドル高は輸出企業や外国子会社の収益を押し上げる効果がある
- 企業業績の回復・改善
- 新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでいた企業業績が回復しつつある
- デジタル化やイノベーションなどに対応した企業や業界が成長している
- 自社株買いや増配などの株主還元策が増えている
2.日経平均3万円越えと関連性の高い銘柄・業界
日経平均株価が3万円を超えたことによって、特に関連性の高い銘柄や業界は以下のようなものがあります。
- 輸出関連銘柄
- 円安・ドル高基調で収益力が向上する銘柄
- 自動車、電機、機械など
- サイクリカル銘柄
- 経済成長や景気回復に連動する銘柄
- 鉄鋼、非鉄金属、化学、建設など
- リオープニング銘柄
- 新型コロナウイルス感染症の収束期待で需要が復活する銘柄
- 鉄道、航空、旅行、小売りなど
3.日経平均3万円越えはバブル再来か?
日経平均株価が3万円を超えたことで、バブル再来ではないかという声も聞かれます。しかし、現在の株式市場はバブル期とは大きく異なっています。以下にその理由を示します。
- 株価水準はバブル期より低い
- 日経平均株価は現在約3万円ですが、バブル期の最高値は約3万9000円です。つまり、現在の株価水準はバブル期の約77%に相当します。
- 株価収益率(PER)も現在は約16倍ですが、バブル期は約70倍に達していました。つまり、現在の株価水準はバブル期の約23%に相当します。
- 株式需給はバブル期より良好
- 日本株市場では需給バランスが良好です。外国人投資家や個人投資家などの買い意欲が高く、売り圧力は低いです。
- バブル期に比べて株式供給量も減少しています。自社株買いや非公開化などによって流通株数が減っており、需給改善効果があります。
- 株式市場は実体経済に連動している
- 現在の株式市場は実体経済と連動しています。企業業績や経済指標などを反映したファンダメンタルズ志向の投資判断が主流です。
- バブル期には実体経済と乖離した投機的な投資判断が多く見られました。土地や不動産などを担保にした過剰な信用取引や空売り禁止規制などがその要因でした。
まとめ
以上からわかるように、日経平均株価が3万円を超えたことはバブル再来ではありません。
むしろ、新型コロナウイルス感染症からの回復期に入ったことを示す健全なサインだと言えます。
しかし、それでも油断は禁物です。
今後も世界情勢や金融政策などに注意しながら、適切な投資戦略を立てていきましょう。