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今回は、2024年から始まる新NISAについて、つみたてNISA利用者の方に向けて解説します。
つみたてNISAとは、一定の投資信託に毎月積み立てることで、売却益や分配金が非課税になる制度です。
現在は、年間40万円まで投資でき、非課税期間は20年間です。
しかし、2024年からは、新しいNISA制度がスタートします。
新しいNISAでは、投資期間が無期限になり、非課税期間も無期限になりますが、生涯投資枠が1800万円と定められます。
また、投資対象も投資信託だけでなく、株式やETFなども選べるようになります。
では、すでにつみたてNISAを利用している方は、どうすればいいのでしょうか?
目次
1. 2023年までにつみたてNISAで投資した分はそのまま非課税で運用できる
まず、安心してください。2023年までにつみたてNISAで投資した分は、そのまま非課税で運用できます。
生涯投資枠1800万円とは別枠とみなされます。
例えば、2018年につみたてNISAで40万円の投信を購入した場合、2037年末までは非課税で運用できます。
2038年以降も課税口座に移管されますが、移管された時点の価格が取得価格となりますから、その価格を超えた分に対してだけ課税されます。
2. 新しいNISAのつみたて投資枠を2024年から利用する
次に、2024年からは新しいNISAのつみたて投資枠を利用することをおすすめします。
つみたて投資枠では、年間120万円まで投資信託を積み立てることができます。
これは現行のつみたてNISAの3倍です。
また、投資信託の種類も増えます。
現行のつみたてNISAでは指定されたインデックスファンドやバランスファンドしか選べませんが、新しいNISAではそれ以外のアクティブファンドやESGファンドなども選べるようになります。
3. NISA以外にも株式やETFなどにも興味があれば成長投資枠も利用する
NISA以外にも、株式やETFなどにも興味があれば成長投資枠も利用することができます。
成長投資枠では、年間240万円まで株式やETFなどを購入することができます。
これは現行の一般NISAの2倍です。
また、成長投資枠とつみたて投資枠は併用することが可能です。
ただし、生涯投資枠1800万円の範囲内である必要があります。
4. NISAだけでなく長期的な視点で分散投資を続ける
長期的な視点で分散投資をNISA以外でも続けることが大切です。
非課税というメリットがあるNISA。それだけではリターンは決まりません。
NISA口座内でも市場の変動やリスクにさらされます。
NISA口座内でも市場の変動やリスクにさらされます。そのため、自分の目的やリスク許容度に合わせて適切な商品を選び、定期的に見直しを行うことが必要です。また、一気に大きな金額を投じるよりも毎月少しずつ積み立てることで平均取得単価を下げることができます。
NISAはあくまでも手段です。目的は自分自身の豊かな人生です。 NISAを活用して自分らしい資産形成を楽しみましょう。
5. つみたてNISAのメリットとデメリットを理解する
以上のように新しいNISA制度への移行はメリットだけではありません。デメリットも存在します。
5.1 つみたてNISAのメリット
- 長期的かつ低コストで運用益や分配金が非課税になる
- 少額から始められる積立型なので買いタイミングに迷わない
- ドル・コスト平均法で平均買付単価を抑えられる
- いつでも引き出しや売却が可能
- 初心者でも長期的な視点で分散投資ができる
などが挙げられます。
5.2 つみたてNISAのデメリット
- 非課税枠が少なく一般NISAよりも節税効果が低い
- 投資対象商品が限られており個別株式やREITなどには投資できない
- 一括投資や短期的な大きな収益は得られない
- 損失した場合でも損益通算や繰越控除が利用できない
などがあります。
これらのメリットとデメリットを理解した上で自分の目標やニーズに合わせて新旧NISA制度を比較検討することが重要です。
まとめ
本記事では、2024年から始まる新NISAについて、変更点やメリット・デメリットを解説しました。
新NISAは現行NISAよりも制度内容が拡充され、長期的な資産形成に適した制度です。
しかし、制限が緩和された分、投資判断が難しくなり、自己責任で運用しなければならないことも忘れてはいけません。
新NISAを上手に活用するには、
- 投資の目的・目標額を設定する
- 万が一のための保障を確保する
- 長期的な視点で分散投資を続ける
などの対策方法が必要です。
新NISAはあくまでも手段です。目的は自分自身の豊かな人生です。
新NISAを活用して自分らしい資産形成を楽しみましょう。