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株式投資には様々な手法がありますが、その中でも高配当株投資は人気のある方法のひとつです。高配当株とは、配当利回りが高い株式のことで、配当金を受け取ることで安定的な収入を得られるという魅力があります。しかし、高配当株投資にはメリットだけでなくデメリットも存在します。この記事では、高配当株投資の基礎知識とメリット・デメリット、銘柄の選び方などを解説します。また、高配当株の代表的な銘柄も紹介しますので、参考にしてください。
1.高配当株投資とは?
高配当株投資とは、配当利回りが高い株式を買って保有し、定期的に配当金を受け取ることで利益を得る投資手法です。配当利回りとは、1株あたりの年間配当金額を1株あたりの株価で割ったもので、投資金額に対する配当金の割合を示します。例えば、1株あたりの年間配当金が100円で、1株あたりの株価が2000円だった場合、配当利回りは100円÷2000円×100=5%となります。
一般的に高配当株の目安は「3%以上」とされています。東証一部に上場している企業の平均的な配当利回りは2%前後なので、それよりも高い利回りを出している企業が高配当銘柄と呼ばれます。
2.高配当株投資のメリット
高配当株投資には以下のようなメリットがあります。
2-1 配当(インカムゲイン)が得られる
高配当銘柄を保有する最大のメリットは、高い配当金を受け取れることです。また株式を保有し、何年か後に値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資家でも、保有期間中に高い配当金をもらいながら、売却して値上がり益を得られるという投資が可能になります。
2-2 株価変動に比べると配当金は安定している
株価は日々変動しますが、配当金は比較的安定しています。業績が堅調であれば減配するリスクは小さくなります。日々の株価の値動きで一喜一憂したくないという投資家にとって、配当収入は魅力です。業績の悪化に注意しなければいけませんが、四半期ごとの決算を確認しておけばいいので、あまり手間はかかりません。配当狙いなら、日中忙しい人でも投資しやすいといえます。
2-3 暴落時の心理的安定につながる
株価が大きく下落すると「株価はいつ戻るのか」「このままもっと下がるのでは?」という恐怖を感じるケースが多いです。しかし配当金については、株価が下落していて先が見えない中でも一定の配当(現金収入)があるという点で安心感が得られます。もちろん減配の可能性はありますが、それでも株価の下落時に手元に現金が入ってくるのは非常に大きな安心感となります。
3.高配当株投資のデメリット
高配当株投資には以下のようなデメリットもあります。
3-1 減配リスクがつきまとう
高配当株投資には、配当が減らされる「減配」や配当が無くなる「無配」のリスクがついてまわります。配当金は企業の業績によって定められているため、業績が悪化して配当が維持できなくなるケースは実際にあります。また、投資家の多くは配当金目当てで高配当株を保有しています。そのため、減配が決定した途端に手放す投資家が増え、株価が大きく下落してしまうこともあります。現在出されている配当金が、今後もキープされるわけではないことを予め把握しておきましょう。
3-2 配当金にも税金がかかる
株式は売却によって得られる利益のほかに、配当金に対しても税金がかかります。そのため、配当金を確認する際には、税引き後の価格をチェックするようにしましょう。配当金に対する税率は20.315%となっており、支払いの際に源泉徴収されます。受け取った時点で税金はすでに支払っていることになり、原則として確定申告は不要です。確定申告をする場合には、総合課税によって配偶者控除の適用を受けたり、申告分離課税によって株式等の譲渡損失と損益通算をすることが可能です。配当金の税制についても、しっかり把握してから取引を行いましょう。
3-3 売却益(キャピタルゲイン)を狙いづらい
高配当株の株価値動きはゆるやかであるため、株価の値上がりによる売却益「キャピタルゲイン」を狙っていくことは難しいです。景気が良くなり他の銘柄の株価が上昇している中で、高配当株の株価はいまいち上がらないというかというケースもあります。配当金は出していないものの、株価が大きく上昇して利益が狙える銘柄は多くあります。よって、収益を最大化するためには、高配当株だけでなく他の銘柄も組み合わせて投資することが必要です。
4.高配当株銘柄を選ぶ際のポイント
高配当株銘柄を選ぶ際には、以下のポイントに注意してください。
4-1 過去の配当を確認する
業績変動が大きい銘柄では、直近の配当がたまたま高額だった可能性もあります。また記念配当などで一時的に配当金を増額している場合もあるので、過去の配当金を確認し、同じ水準の配当を継続して行っているかを確認するようにしましょう。
4-2 中長期的に利回りが期待できるか確認する
高配当株投資は、中長期的に保有しても業績悪化による減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。そのため、単に配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、業界や市場の動向、企業の事業内容や成長性、財務状況や株主還元方針などを分析し、将来的にも安定した配当が期待できる銘柄を選ぶことが必要です。
5.高配当株の代表的な銘柄5選
ここでは、高配当株の代表的な銘柄を5つ紹介します。以下の数値はすべて2020年7月27日時点です。
1. JT(2914)
- 株価:1,897.5円
- 予想配当利回り:8.11%
たばこ事業が中核の企業です。M&Aにより海外たばこ事業も拡大中です。予想配当利回りが8%台と高くなっています。
2. ソフトバンク(9434)
- 株価:6,000円
- 予想配当利回り:6.67%
携帯電話事業やインターネット関連事業を展開する企業です。孫正義氏率いるソフトバンクグループの中核です。Vision Fundなどで世界中のIT企業に投資しています。予想配当利回りが6%台と高くなっています。
3. バルカー(7995)
- 株価:1,200円
- 予想配当利回り:6.67%
食品添加物や香料などを製造・販売する企業です。国内外で多くの工場や研究所を持ち、食品メーカーや外食産業などに製品を提供しています。予想配当利回りが6%台と高くなっています。
4. NTT(9432)
- 株価:2,552.5円
- 予想配当利回り:3.91%
国内通信のガリバーです。地域固定電話網を独占し、携帯や光回線でも高シェアを占めています。予想配当利回りが3%台と高くなっています。
5. 三井住友フィナンシャルグループ(8316)
- 株価:2,838円
- 予想配当利回り:3.87%
国内最大の民間金融グループです。銀行だけでなく証券や信託・カード・リースなども展開しています。アジアや米国での展開も進んでいます。予想配当利回りが3%台と高くなっています。
まとめ:高配当株は中長期の目線で保有しましょう
高配当株投資は、安定的な配当収入を得られるというメリットがありますが、減配リスクや売却益を狙いづらいというデメリットもあります。必ず、高配当株銘柄を選ぶ際には、過去の配当や将来の利回りを確認し、業績や市場の動向にも注意してください。
高配当株は中長期的に保有することで、インカムゲインを最大化することができます。高配当株投資に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。