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常勝トレーダーが相場で生き残るために、または勝ち残るために、自分自身のなかに編みだしているものは、なんでしょうか。
多くのトレーダーがトレードについて語るとき、とくに気にしているのは、適切な負け方ではないかと思います
損切り、資金管理、エントリータイミングなど、言葉こそやや難しい表現をしていますが、こういった言葉は、勝つための教えではなく、負けないためのアドバイスです。
相場において、全資金を失ってしまうことは、完全敗北を意味します。当たり前ですが、投下する資金なくして、相場に参加することはできません。
市場からは退場せざるを得ず、場合によっては、負け分を取り戻すために、より多く働かなければなりません。
投資で豊かに人生を送るという計画とは、とても縁遠いものになってしまいます。
目次
- FXには負け方があった。市場から撤退しない生き残りの方法3つ
- 1.損切りする。(いくら逆方向に動いたら諦めるかを決める)
- 2.いくらまでなら、負けられるか目途を立ててから資金を投下する
- 3.書いたシナリオを検証する
- まとめ 負け方を理解し、負け分を小さくすれば、勝ち幅は大きくなる
目次
FXには負け方があった。市場から撤退しない生き残りの方法3つ
スキーやスノボなどを初心者から始めるとき、おそらく最初はけがをしない転び方から練習すると思います。柔道なども、受け身から練習します。
ぼくは高校時代ラグビー部でしたが、ラグビーも、首回りの筋肉を鍛えたり、タックルをするのではなく受け方を学んだりと、けがをしないための練習は基礎中の基礎でした。
スポーツや格闘技は、とくに大けがをしないための練習に気を遣います。導入時はけがをしないための練習ばかりです。
考えてみれば、上手くなる前にけがをしてしまっては、練習どころではありません。格闘技などは、受け身を一歩間違えば、死んでしまう危険さえあります。
転ぶ練習や、技を受ける練習はそのスポーツをするための必要最低限のリスク管理といえます。
相場も、これと同じと言えるのではないでしょうか。基本の負け方を知り、大けがや即死を防ぐ。これを身につけることによって、大技である大きなロットや大幅なpips獲得を狙ったトレードに挑戦できるというものです。
勝っているトレーダーは、あらゆる負けパターンを自分の頭の中に蓄積していて、さまざまなリスクヘッジを行った上で、おおきなチャレンジに打って出ます。
もし、予想と反対の動きを相場が取ったとしても、全財産の喪失さえ逃れれば、次回への挑戦権が残ります。この次への挑戦権を残し、投資を継続していくためにも、自分なりの負け方を知ることが大切です。
負け方を自分の投資ルールに取り込んでおけば、損失を最小限にできます。
そこで、今回は、基本となる3つの負け方について考えてみました。負け方を自分なりにパターン化して、損失を抑え、積極的な投資につなげられたら手堅いですよね。
1.損切りする。(いくら逆方向に動いたら諦めるかを決める)
まずは損切りです。長期投資なら、絶対に手放さない、という選択肢を持つ方もいるかもしれません。
僕も株の長期投資では、逆張りを仕掛けてナンピン買いすることもあります。
逆張りについての記事も、結構書きました
しかし少なくともトレードは、長くても数日から数週間で取引が完了します。その意味では、思った予想よりも反対に動いた場合は、潔く損切りすることが不可欠です。
チャートがどのように動くか、シナリオを書いてからエントリーするのが望ましいと思いますが、そのシナリオが崩れた時には、素直に負けを認める意味で損切りした方が良いと思います。
僕はトレードのし始めの時期、損切りした金額までほぼぴったりに下がってロスカットされた後、急に再急騰していくという局面に何度も遭遇しました。
これを経験すると、まるで自分が損切りすると決めたラインを、市場が知っていて、わざとそこまで下げてから上がっているんじゃないか?とも思ったくらいです。
それだったら、損切りせずに塩漬けした方がよいとも思えてきます。
しかし、こういった刈り取りは、僕がセオリーにほば100%乗っかった取引をしていたため、むしろ当たり前なのです。
初心者のころは、自分では市場を欺いているつもりですが、むしろかなりベタにセオリーをなぞっています。
その他大勢のトレーダーと同じ考えをしているだけで、このころは一般大衆と何ら変わりないチャートの見方となっていました。
これでは刈り取られて当たり前です。そのくらい、トレードは簡単に人を負けさせます。
それだけに、負ける可能性は常に前提として頭に置き、どこまでいったら損切りするのか、その損切りで納得できるか、などをしっかり決めておくことが大切です。
2.いくらまでなら、負けられるか目途を立ててから資金を投下する
資金投下では、いくら入れたら、どのくらいリターンが来て、、、と想像しがちですが、これを逆に捉えておく必要があります。
つまり、今回のトレードでは、いくらまでなら負けられるか。をはっきり出してからエントリーする、ということです。
とくに初心者であれば、かならず意識したいところです。
何pipsまでなら、負けてもいい。この金額なら負けても本業からの貯金、もしくはバイトや副業で取り返せる、、、
という、負けられる金額を決めて、エントリーしていくことが重要です。
こうしておけば、思いと逆に相場が動いていったとしても、あなたの負けは限定的になります。
もし思い通りに市場が動けば、青天井に利益は伸びていきます。
ついつい、入れた金額と勝った後のことだけを夢想してしまいますが、これはよくよく考えるとあまり意味がありません。
レバレッジ、pips、投入金額を組み合わせて、そのエントリーだと、負けた時にいくら損失するかを知っておいてからエントリーすることが大切です。
どのくらい勝てそうか、ではなく、どこまでなら負けられるのか、です。
こうしておくと、損切り幅を広くしておきたいからロットは少なめにする。とか、
このボラティリティでエントリーしたら100pips以上負けるかもしれないから、エントリーを見送ろう。
など、自分なりの対策や投資ルールが生まれます。
勝っているトレーダーほど、負け方を知っているものです。
シビアに負け方のルールを作り、負けの回数や量を限定的にしておきましょう。
3.書いたシナリオを検証する
事前の準備で負けの回数や額を限定的にしたら、事後の分析で負けの内容を確認しておきます。
トレードにおいては、自分の勝ちパターンやエントリーした根拠があるはずです。
なぜそのエントリーなら勝てると思ったのか、今後もその指標は使えるのか、今回は20回に1回くらいのたまたまな異常変動だったのか、などを確認しておくと、自分の勝ちパターンがより確実なものになります。
まさに負けから学ぶということでしょうか。
こうした考察や分析が蓄積されることで、今後、負けないシナリオを書けるようになります。
負け方が限定的であれば、何度でも挑戦をやり直すことができます。
僕の場合は、記録にとることをよくやっています。
インスタにエントリー直前の写真と、結果がでた直後の写真をどんどん載せておくと、勝ったトレードの特徴を写真とコメントつきで振り返りできるようになります。
うまくトレード出来た報告をアップすると、いいねがもらえたりするので、継続する気持ちをモチベートし続けることにも繋がります
また、LINEメモなどにも、エントリー時の心理状況やエントリーの根拠などを書いています。
こうした記録があると、あとで振り返れるので、自分が欲をかいたのか、自分のルールを守っていなかったのか、などを確かめることができます。
ちなみに僕の場合は、だいたい「追っかけ買い」で損をしています。何度も何度もこれはしてはいけない、と思いながらも、欲をかいてたびたび自己ルールをやぶってしまいます。
僕はメインで4時間足を使っていますが、とくに、1分足や5分足を参考程度に眺めていると、なんとなくこれから上がりそうだな、下がりそうだな、という局面に遭遇して、ついエントリーしてしまいます。
それでもいまは損切りを必ず入れるようにしたり、全額投入しなくなったりしているので、なんとか粘っていますが、こういうエントリーをした場合、100%、いや120%マイナスで刈り取られます。
記録をとっておくと、追っかけ買いをしたときはとくに、自分が描く理想な形が来ていないのに、自分に都合良く市場を解釈して、エントリーしていることがよく分かります。
冷静に、各指標やファンダメンタルズの情報を組み合わせる余裕はなく、市場に「こうなって欲しい」という願望をぶつけているのです。
こういうときは、各指標を自分に都合良く解釈しています。しかし、その通りになることは、まずありません。
それだけに、エントリー前にチャートの上下のシナリオを書くこと、そのシナリオの合否を確認することをすると、だんだんと自分の判断がシビアに磨かれていきます。
これを踏まえて、次はこうやってみよう、この局面では絶対に我慢だ、など次の展開が決まってきます。
こうしていくうちに、トレードを継続していくことができるというわけです。
まとめ 負け方を理解し、負け分を小さくすれば、勝ち幅は大きくなる
ここまでのは話しをまとめてみます。
1.損切りする。(いくら逆方向に動いたら諦めるかを決める)
まずは自分の崖っぷちをきめることです。適切な崖の設定をし、そこで諦めることを仕組み化します。90回負けても、10回の勝ちで大きな収益が出るのがトレードです。90回分の負けの量を限定的にしておきましょう。
2.いくらまでなら負けられるか、目途を立ててから資金を投下する
常に全額勝負や資金の大半を入れて勝負するのではなく、最初は少額からトライ&エラーを重ねる方が良いと思います。そのために、いくらまでなら負けてもいいか、その目途をと立ててから資金を投下すれば、一挙に全てを失う心配が無くなります
3.書いたシナリオを検証する
事前に損切りや資金投下の量を調節する癖がついたら、事後の分析も行ってみると良いかと思います。自分の投資ルールや投資のクセなどを深く知り、ルールを守って投資すれば、負けは減っていくことでしょう。
長期でも短期でも、投資の継続に必要なのは、あたりまえですが資金です。
リスクがつきものと言われる投資においては、たとえ負けても、負け分が限定的であれば、資金が残り、再チャレンジ可能となります。
投資で10割勝つことはありません。負けることは必ずあります。
しかし一つ一つの勝負で大きく勝てなくても、ここぞという1,2回のトレードに大量の資金が投下されていれば、全ての負けを吹っ飛ばすこともあります。
まずは己を知るためにも、負け方を知り、自分なりの負けパターンを知ることです。無駄なエントリーを我慢することにもつながります。
1年、2年とはてしなく継続し続ける中では、トレードは負けと勝ちを何度も経験します。
負けを小さくして、勝ちは大きくする。この損小利大を地道に繰り返すことで、トレード資産は増えていきます。
そこにはタイミングや我慢など、小さな学びが沢山あります。
僕なりにこの学びを重ねながら、長くコツコツ楽しもうと思っています