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その投資、リスクはあるの?という質問をされて、「ないです!」という投資はありません。
もし、ないですと言われたら、その投資は詐欺ですので、絶対にやらないことをオススメします。
となると、投資をする、ということは、お金を失う可能性もあるわけです。
お金を増やしたいのに、減らしてしまうのなら、わざわざ投資などしなくても、貯金すればいいと思われるかもしれません。
これはある意味その通りですが、貯金だけではたいして豊かにはなれません。
虎穴に入らずんば虎子を得ず、ともいいます。得たいものは、リスクを取らなければ得られない。昔の人も、このことは真理としてことわざにしています。
とはいえ、とはいえ、実際に自分のお金を、失うかもしれないリスクにさらす、というのはやはり抵抗があると思います。
今回は、正確なリスクの見積もり方について考えてみたいと思います。
これを見た後で、自分が取ることのできるリスクをみきわめ、勇気を持って投資に臨んでいただけたら幸いです。
目次
投資のリスクの見積もり方。負けない運用でお金を増やす3つのポイント
投資に限らず、人生で完全に安全な道をとることはできないでしょう。
風邪を治そうと思って薬を飲んだら、副作用のアナフィラキシーショックで亡くなってしまった。
飛行機の墜落リスクが怖くて、車で移動したら、結局事故に遭ってしまった
4年制大学を出て、企業につとめれば収入が安定すると思ったら、ブラック企業でうつ病になってしまった。
などなど、安全策をとったはずなのに、数少ないリスクの発生の方に出くわしてしまうことがあります。
人は、リスクの頻度よりも、起こったときのインパクトにより影響を受けやすいものです。
飛行機は事実として滅多に落ちませんが、落ちたらほぼ生き残れないでしょう。その不安や恐怖が、なんとなく飛行機を敬遠させていきます。
投資は、それこそリスクのオンパレードです。株や為替や投信なら大暴落や減配、債権なら金利低下、不動産なら空室や利回り低下、金や絵画やワインなどは価値が上がらずに塩漬けなど、どの方法をとっても、リスクに取り囲まれています。
また、大暴落大損する、と言った表現は、その言葉のイメージ自体が悪すぎます。
ひとたび聞いても、なんかやっぱりとんでもないことに巻き込まれそうなイメージが湧いてきます。
また、日本人で投資について知らない人にとっては、投資とギャンブルが似ている印象もあり、失敗すれば、投下資金はいつも全額が溶けてしまう、と言う印象もあるのではないでしょうか。
投資にリスクは確かにつきものです。しかし、負け方を知り、リスクを知り、リスクの発生をコントロールすることで、徐々に勝ちを増やしていくことこそが投資です。
ぜひ、リスクの見積もり方を一緒に検討して、負けない投資を手堅く積み上げていきましょう
1.ゼロサムではない資金投下をする
全てにおいて、投資は、儲けのシナリオがくずれても、ゼロにはなりません。このあたりがギャンブルと大きく違う点の一つだと思います。
競馬や競艇では、賭けた馬や船が負けてしまったら、そのレースに賭けた金額はゼロになってしまいます。
危ないのは、単勝のレースに全額を突っ込んでしまうようなパターンです。どんなに馬の調子を把握していても、100%勝てる可能性はないどころか、負ければ賭け金は全て失ってしまいます
投資の場合は、たとえば株などでは、好きなタイミングで、時間をずらして資金を投下することができます。また、資金は、何社にも振り分けることができます。
競馬も、いくつかの馬に分散して賭けることはできますし、1レースから12レースまで分けて資金投下することもできますが、基本的に勝つ馬は1レース1頭だけです。同じレースで4,5頭に分散して賭けてしまったら、もし1頭当たっても、残りは全部負けとなってしまいます
株や投信は、何本でも買えます。また、時間をずらして積立式に何本でも買い増すということもできます。さらには、分散して買えば、2,3本で損しても、あとの4,5本で取り戻せる、と言う展開は十分あり得ます。
また、利益確定するまでが勝負ですので、価格が一度下がっても、再び上がって結局儲かる、ということもあります。
塩漬けにして持っている間に、配当で取り戻すこともあります。要するに自分の購入した投資商品との向き合い方が問題で、どこで利益確定するかによって損するか儲かるかが変わってくるのです。
したがって、リスクを加味した場合、100%負ける、という決着が投資にはありません。ここにリスクをコントロールする余地が十分にあると言えます。
2.損切りポイントと資金管理について
1での話しは長期投資にありがちな話で、短期では当てはまらないと思われるかも知れません。
しかし、短期売買の投資、たとえば先物やFXのような、ロスカットや追い証などがある投資でも、リスクを下げる方法はあります
損切り
損切りは「このラインを割ったら、損していても自動で決済する」ときめておき、逆指値などで注文をだしておくやり方です。
たとえ10万円、100万円、1,000万円と資金投下していても、一定の位置に損切りラインを決めておき、そこで自動的に決済するように仕込んでおけば、全額失うことはなくなります。
たとえば、10万円投下するときに、1万円損してしまったら、そこで決済。と決めておけば、もしチャートの波が大幅に変動し、暴落しても、9万円は返ってくるのです。
同じ暴落をあと9回連続で体験しない限り、破産はなくなります。この間に立て直しをはかることもできます。
チャートの動きを読む中で、自分のシナリオと真逆に動いたとしても、損する額を限定的にとどめることができます。これはある意味短期売買においては鉄則とも言える手法です。
資金管理
また、もし10万円全部失っても大丈夫なら、問題は無いでしょう。他の仕事や投資などから同じだけの収入がすぐにはいってくるなら、問題は無いわけです。
ですので、負けないためには、本業の会社員の給料で補填できる範囲内でまずは取引していくことです。
ロスカットされてしまえば、全額を失いますが、その手前で決済することで、次への資金を守ることができるのです。
投資は、継続していくことで資産が増えていきます。一見その時々は減ったようにみえても、トータルで増やしていくと言う考え方が良い結果をもたらします。
つぎに繋げるために、現実的に資金を残す。この資金管理にもとづいて取引していれば、リスクは一段と下げられます
今後のチャートの動きを予測し、シナリオを書く
損切りや資金管理を考えずに、途方もない額を最初から突っ込んでしまうと、シナリオと真逆にチャートが動いたときに、とんでもなく損失を被るということになってしまいます。
ですので、チャートの動きについて、テクニカルやファンダメンタルといわれる分析をもとに、今後の動きを自分なりにシナリオとして書くことも大切です。
そして、このシナリオが逆に動いたときに、損切りをどこで行うか、資金管理の中で自分はどこまでの損なら耐えられるのか、を決めておくことです。
リスクを小さくコントロールして、次に次に資金を残し、継続していくこと。これによって最終的には大きなリターンが得られるようになっていきます
3.聞こえてくる情報ではなく、つかんだ情報を組み合わせる
毎日のように、テレビのニュースは政治家の失言と、事故や災害、芸能人のスキャンダル、プロ野球とサッカーの勝敗を組み合わせて、僕らの脳に情報として送ってきます。
昨今だと、コロナでみんな苦しんでいることと、経済が困窮していると言う話題も、多く流れてきます。
なんとなくテレビやラジオのニュースなどを流してしまうと、うっかりこういった情報ばかりを頭に溜め込んでしまいます。
世の中の出来事は、まるでこれでしか回っていないかのようです。 世の中は薄汚く殺気立っていて、将来は暗く、有名人は卑怯だな。スポーツでも見て気持ちを上げようか、、、
本当に世の中はそれだけでしょうか。少なくとも日本人だけで1億人以上が同じ24時間の中で様々な生活を営んでいるのに、です。さらには世界は70億人が様々な生活を送り、さまざまな世の中が営まれています。
世の中が本当に薄汚く、危険で、暗いだけの世界で、なぜ貧富の差がうまれるのか。
実のところ、平和で、楽しく、豊かな生活を送っている人達もいます。また、厳しい過去を乗り越えて、幸せをつかむ人もいます。
なかには、苦労を重ねた後、投資で成功をつかむ人達もたくさんいます。あまり目立ちませんが、こういう人達は、後に続く人達が昔の自分のように苦労しないよう、書籍やブログ、動画に懸命にノウハウやメッセージを送り続けています。
聞こえてくる情報を入れているだけでは、本当のことが少ないように思います。だから、テレビの経済ニュースをいくら見ても、チャートでは勝てないのです。
勝っている投資家は、世の中の本当のことが話されている情報をつかみにいっています。それも、一つではなく、10も20もある情報をつかみに行き、それを組み合わせ、自分で世の中のつじつまを調整しています。
こういった情報には、往々にして発信者当人の行動にもとづく経験が語られています。だから、情報に誰にも真似できないオリジナリティがあります。
投資では、このような、まるでコインの裏側をみるかのような情報収集が、投資家それぞれのオリジナルの勝ちパターンをもたらします。
行動に基づく経験が語られる情報をいくつもつかみに行き、それを組み合わせることで、投資で勝つために必要な知識を磨き上げていくことが大切です。
4.そのリスクが起こりうる可能性を実際に計算しているか
実際に「投資にリスクはつきもの」とか「投資はあぶない」といった表現を聞くと、なんだか大損をしそうなイメージですが、1%でもリスクがあれば、リスクです。
1万円を投下して、翌月に9,999円になってしまったら、やはりリスクです。
ですが、翌々月に9,999円が1万5千円くらいになってしまうことも、容易にあり得ます。
この場合、翌月に損切りした人にとっては確かにリスクでした。翌々月に利確した人にとってはベネフィットとなりました。
極端な例ですが、こんなことは投資の世界では本当にザラです。このリスクを負えない人、見積もれない人、計算できない人が、「投資は危ない」「投資は大損する」「オレはやったけど失敗した」と声高に叫びます。
ですが、やってみればわかりますが、大暴落は滅多に来ませんし、暴落しても、損切りラインで逆指値を入れていれば、自動的に決済されます。資金管理の範囲内であれば、持ち続けていれば、また上がります。
それでも、投資をすれば大損をする。投資をすれば破産する。というイメージが先行し、投資は敬遠されがちです。結果、人々は貯金しようと銀行に預金し、度重なる物価上昇や手数料で目減りしていくわずかな貯金を眺め、貧困にあえいでいます。
ありもしないリスクの幻想におびえ、投資をせずに銀行にせっせと預金しての結果、日本経済はいまの惨状を迎えています。これをなんとかしなければなりません。
そのためには、リスクを正確に見定める必要があります。
よくある例として、薬を飲むと病気が治るとおもわれがちですが、薬も、同じ病気に対して効果が高いことが統計学的に優位に実証されているだけです。どの人にも、飲めば100%効くわけではありません。70とか80%で効果があると実証されているのです。
逆に、本当に極小ですが、副作用で皮膚がやけどを起こしたようになったり、呼吸が止まってしまうこともあります。添付文書にも、0.05%の確率で起こりうる、など、但し書きが書かれています。
もし、「10,000人に1人の確率で、筋肉が解けてしまうような副作用があります。しかし、これを飲めば、あなたの心臓病リスクは下がります。飲まなければ、3割くらいの確率で心臓病で倒れてしまいます」などと言われたら、どんな印象でしょうか。
副作用は滅多に起きないと捉える人もいれば、もしかしたら1万人のうちの1人に自分が副作用に当たってしまうかも、と治療を拒否する人も出てきます。
1万人に1人の副作用リスクを懸念して、8割方効果がある薬を飲まず、放っておいた結果、3割がなり得る心臓病になって倒れてしまうとしたら?
これ、薬を飲もうと飲まざると、100%安全はあり得ません。だからどちらのリスクが自分に起こる可能性が高いのか、選ぶしかないのです。しかも科学的に考えれば、選ぶべきは薬を飲む選択肢となるでしょう。
しかし、この場合、副作用を恐れて飲まない、と言う人はけっこういるそうです。というより、そう言われるのを知っていて、医者にかからない人すらいます。
得てして、夜中に倒れてしまうようなケースが発生してしまいます。
これは命がかかっている例ですが、投資のようなお金に関することでも、「投資=大暴落して全財産を失う」と思っている人は少なくないと思います。
どのようなリスクがあるのか、そのリスクを減らす方法を学んだか、リスクが起きる可能性がどのくらいか計算しているか、対策を実行しているか。
このようなリスク見積もりの計算を実際に行えば、投資はギャンブルでも詐欺でもなく、貯金よりもすぐれた蓄財方法であることを誰でも実感できると思います。
まとめ その選択のリスクは、どのくらいか?
ここまでの話しをまとめてみますと、投資におけるリスクの見積もり方とは
1.ゼロサムではない資金投下をする
まず投資はギャンブルとはちがい、結果がゼロサムにはなりません。なるのは、リスク管理の方法を知らないだけだと思います
自分で許容できるポイントを見定める資金管理。そこから計算した損切りラインでの逆指値。これを計算して、今後のチャートの動きについて、自分なりにシナリオを書いていくことで、経験が磨かれていきます。
3.聞こえてくる情報ではなく、つかんだ情報を組み合わせる
目や耳に突っ込まれてくる情報だけをあてにせず、自分で必要な情報をつかみにいくべきです。つかみにいった情報を組み合わせることで、本当のことがみえ、投資判断を間違えないようになります
4.起こりうる可能性、を実際に計算しているか
投資すると破産する。巷で叫ばれまくるこの警告が実際に起こる確率は、どのくらいなのでしょうか。計算できないなら事実ではないし、計算できるとしたら、いろいろな要素を組み合わせても、低いと思います。
人生は、どの選択をしても、すくなからずリスクがあります。起こりうるリスクの可能性は、どのくらい計算されているというのでしょうか。
薬のたとえで書いたとおり、飲まなければ3割の人が病気が悪化する可能性があるにもかかわらず、0.01%の重大な副作用を懸念して、その薬を飲まない人もたくさんいます。その結果、やはり多くの人が心臓病で倒れ、救急搬送されていきます。
命がけ、ともなれば、万に一つの失敗も許したくない、という気持ちは分かります。しかし、その万に一つにおびえ、結局3割の心臓病に仲間入りをしている人達が後を絶たないのなら、そのリスク計算でよいのか、と言いたくもなります。
ましてや投資は命がかかっているわけでもない、お金のやりとりの問題です。
全財産を失うかも知れない、とおびえ、お金が増やせる可能性に1ミリも興味を持たない、というのは、安全神話に乗っかりすぎなのではないでしょうか。
そのことによって、全くお金が増えて行かないと言う事実があるとしたら、それもリスクとなってしまいます。
しかも現代人は、すでに銀行預金では自分のお金がすくなからず削られているにもかかわらず、知ってか知らずか銀行の安全神話に肩入れするばかりです。
投資でのリスクは、コントロールできます。正しい情報を学びつつ、資金を守り、継続すれば、むしろお金が増えて、幸せや豊かさを感じることもできるでしょう。
僕もいっそう負けない投資を身につけて、ぜひとも充実の投資ライフを送っていきたいと思っています。