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娘は高校生となり、息子も中学2年生となりました。
いま、自分の子供にも、蓄財についての方法をいくつか話しています。
資産運用についての難しい話ではありません。
子供にも少しでもお金のことに興味を持ってもらい、社会に出るときに、資本主義の大枠くらいはなんとなくわかっているよ。といえる程度に育って欲しいと思っています。
自分のこともままならないうちに、子供にどのようにお金のことを教えるか、なんて、なんと生意気な話だ。とは自分でも思っています。
それでも、子供達の時代は一層先の読めない時代がくることも予想できます。
そんなときに、僕ら親世代がしてあげられることといえば、荒波に揺れる時代をしぶとく生き抜く方法くらいでしょう。
野球好きのお父さんがお子さんを甲子園に送り込み、野球を土台に何かで生きていけるように、親は自身の知っている何かを子供に伝えていきます。
だから僕は僕のできる範囲で何か生き抜く方法を教えるとしたら、蓄財の方法くらいしかないのです。
目次
子供にお金のことをどう教えるか。タイプ別蓄財教育法
これが代々伝わる資産家の家であれば、「これから当家に伝わる秘伝の蓄財方法を教える」などと言えば、聞こえはいいでしょう。
ですが、そこまでの大きな資産があるわけではおりません。
子供も、学校や部活でそれなりに思春期の頭を悩ませ始めている頃です。いろいろ言っても、伝え方を間違えれば勉強やお説教の延長、親父の自己満足などと思われてしまいます。
ですが、財産を残すより、蓄財の知恵をいかに頭の中に入れておくか。この方がとても大切だと思っています。
ですので、いま自分が親としてできることとして、うまく伝えられたらと思っています。
本当なら、もっと人の気持ちを思うような人間的なことや、芸術的なこと、一緒に感傷に浸る、ということが、親子のバランスとしては大切なのかもしれません。
ですが、僕ができる親らしいことといえば、残念ながらこれが精一杯というところです。
幸い、蓄財の方法や貯蓄ペースはそれぞれに違うものの、それぞれに独自の形を作り始めています。
今後もコミュニケーションしながら、自分の学びも含めて、蓄財について伝えていこうと思っています。
1.地道に蓄財していくタイプ
ウチで言えば、お姉ちゃんの方に当たるタイプというところでしょうか。きちんと真面目。こつこつと積み上げるタイプ。蓄財の基礎から積み上げることができる優等生タイプです。
中学1年になるときに、スマホを買い与えつつ、これからは大人の仲間入りを果たしていくこと、それだけに大人が一番できているようでできていないお金の管理について、しっかり向き合って欲しいことを伝えました。
このタイプは、約束を違えると自分に不利益が被られることが分かっているので、わりと自分で計画をたて、蓄財していきます。
彼女には、お小遣いの他に最初に1,000円を渡し、毎月1,000円ずつ貯金するように言いました。
つまり、1,000円を渡しておきながら、その1,000円に手をつけるなというわけです。月末に1,000円が残っていれば、また1,000円を渡し、翌月に今度は2,000円になっているかを確認します。
こうしていくと、徐々にお金が貯金箱に積み上がっていきます。中学生ともなれば、親の言うことも無視したくなってくるころです。
思春期でもあり、友達と遊ぶ小遣いも欲しくなるところでしょう。そうした中で、手持ちのお金の中で、使ってよい分と使ってはいけない分を気持ちの中で分けるための訓練でした。
始めるときに娘にはこのことをじっくりと説明しました。貯金ができる筋力のようなものを鍛えるようなもの、とも伝え、鍛えていって欲しいことを伝えました。
話はよく聞いてくれましたが、言っている意味は、たぶんよく分からなかったろうと思います。
それでも、真面目に取り組んでくれました。
借金取りが、1分1秒をまたずに取り立てる社会の現実についても伝えたので、毎月末には必ず現物で貯金箱の中を見せてくれました。
後で持ってくる、とか、今はないけど、明日手に入るから、といった言い訳もなしのルールでしたが、コツコツとこなしてくれています。
現在、高校1年になりましたが、彼女の貯金箱には、8万円近い金額が入っています。
単純計算だと、一ヶ月1,000円で中学3年間なら、36ヶ月で36,000円貯まる計算です。高校生になってからの半年間を足しても、計算上は40,000円のはずですが、なんと倍も貯金していました。
毎月末に、このお金に手をつけたくなった時はあったか?どうやって我慢や工夫をしたのか?今月頑張った感想は?などど聞いていますが、本人なりにありとあらゆる工夫を凝らしています。
散財したいときは、紙に欲しいものを書いたり、写真に撮ったりして、手に入れた気分になってみる。まずはこれで最初の衝動をコントロールしているとか。これは僕も学ぶところがありました。
それでも欲しいものは母親にごねて追加の小遣いを貰ったり、家の手伝いをして小遣いを稼いだりしていたそうです。
また、祖母や祖父から貰う臨時のお小遣いは、もらった額の幾らかは最初に引き、残りの分で欲しいものを買うようにした、とのこと。
そうして、とにかく1,000円を余分に残す、手をつけないようにして生活したとのこと。
最近は高校生になり、メルカリの仕組みにも精通してきました。
ちょっとケチくさい教育法だったかもしれませんが、それでも
- 身の丈にあったお金の使い方をする
- 贅沢したいという気持ちに向き合う
- 衝動を抑制する
- 最初に自分に払う
といった、蓄財に大切ないくつかのことを体得してくれたと思います。
しかし課題もあります。ここまでの努力は相当なものだったようで、投資について全く慎重姿勢を崩しません。
せっかく貯めた虎の子の資金を投資で失いたくない、という気持ちが強いようです。
もちろん、収入があれば、貯金でも大丈夫です。ですが、ドコモ口座の事件のように、銀行口座からでもお金が抜き取られる時代です。
そうなっても、またお金を増やせるよう、利殖まで実践できてこそ、蓄財に長けていると言えるのではないかと思います。
投資で失う、というイメージが強いようなので、増える楽しみについても、うまく伝えられたらと思っています。
2.蓄財は苦手だが、利殖に興味があるタイプ
これは息子のタイプです。息子はコツコツと積み上げたり、欲しいものの為に我慢する、というのがとても苦手です。
そのかわり、自分が得できる、と思ったものについては、すぐに実行します。
この手のタイプに、毎回幾らかを貯金していきなさい、といっても、出来ないでしょう。
そこで、いくらかのお金は持っていると仮定して、投資によって大きく稼げるというこの1点に絞って話し合ってきました。
いろいろと利殖のことについては話してみたものの、まずは種銭を・・・という部分になると、やっぱり諦めムード。自分はそんなことやりたくないし、頑張っても多分できない。と言って聞く耳を持ちませんでした。
しかし、あるとき、複利について話したところ、投資の持つ可能性にようやく心が通ったようで、そこから興味を持ち始めました。
複利計算は、僕はエクセルでいろいろシュミレーションすると投資をやる気が上がるので、オススメです。
資産と負債(最初は「ふせき」と読んでいましたが(^_^;))、インカムとキャピタル、テクニカルとファンダメンタル、年利回り、などといった言葉も意味も調べるようになり、「バビロンの大富豪(マンガ版)」なども読むようになりました
その後は「金持ち父さん貧乏父さん」も読みふけるようになり、ついには自分の投資口座をもち、運用をはじめるようになりました。
子供の投資口座開設とその後の変化については、こちらにも書きましたので、ぜひご覧ください
運用を始めたところ、もっと早く資産を増やしたいと思ったのか、お金を貯め始めるようになりました。運用の元手にするんだ、と言っていました。
お姉ちゃんに比べて蓄財の額はまだまだですし、もともと貯める根性がないので、結果がどう出るかはまだよく分かりません。ですが、最近はトランプ大統領のコメントと市場の動きについて、分かる範囲でドヤ顔で話してくるようになりました。
すこし頼もしくなったような気がします。
これが世間一般的な教育における道徳として正しいのか、といわれれば、あまりいいことではないかも知れません。
できれば親として、勉強を教えたり、一緒にキャッチボールをしたり、スポーツ観戦に行ったり、一緒にサイクリングやマラソンをしたり、キャンプに行ったりして、子供の情緒に深く関わるべきなのかも知れません。
根性や度胸、根気、継続する力、人への思いやりなど、この時期にはもっと教えるべきこともありそうです。
ですが、これからは、特に経済的に厳しい時代が来ます。とにかく生き抜くための知恵として自分がひとつでも伝えられるものがあるとしたら、これが精一杯というところです。
もちろん、いろんなことを一緒に体験して、人間的に大切なことも伝えてきたいところです。折に触れてそういったことも意識していますが、こちらもそれほど聖人君子でもありません。
と、話はそれてしまいましたが、ウチでは親子とでのやりとりの中に、こんな金融や経済の話を入れています。
少しでも反応してくれていて、将来いくらかの役に立つ知恵になってくれれば幸いだと思っています。
まとめ お金のことを子供と話そう
ここまでの話をまとめてみますと
1.地道に蓄財していくタイプ
真面目にコツコツと積み上げていくことができるタイプは、無理なく性格に沿った応援を続ければ、上手く蓄財する方法を見つけていきます。ある意味お金の守り方に才能があると言えます。ただし、利殖には興味をもたないため、守りが破られたときに、もう一度蓄財する気がなくなってしまうかも知れません。何度でも立ち直れることに気づいてもらうためにも、お金は増やせるということも伝えていきたいところです。
2.蓄財は苦手だが、利殖に興味があるタイプ
そもそも根本的に貯めるのが苦手なので、スタートラインに立てません。これは誰にでもあることと思います。それでも、利殖の楽しさに気づけば、そこに引っ張られてがんばって種銭の蓄財にも励むようになるようです。
うちは子供が二人なので、タイプ別といってもこの二通りしか知りません。簡単に言えば、娘は守り、息子は攻めに得意分野があるようです。
そうした特徴に気づけたのは、お金の話を家庭内でしてきたからこそ、とも思います。
とかく子供とお金の話をする、というのは日本社会では薦められたものではないと思いますが、すこしでも興味や知恵を持っておくのはわりと大切なことなのではないかと思います。
僕自身、蓄財についての本格的なノウハウは、30代半ばからでした。投資は、早く始めれば始めるほど、時間が味方してくれる分有利に働きます。
つまり、貯め方、守り方、増やし方についての考え方自体は、知っておいて損はないと思うのです。
それだけに、うちではためらいもなくお金の話をしています。まあかみさんはあまりいい顔しないですけど(-_-;)
守銭奴に陥らない程度に、必要なことは伝えていきたいと思っています。