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今日はインカムゲインの話について。
イソップ童話の「金の卵を産むガチョウ」について読んだことはあるでしょうか。
簡単な話ですので、こちらにあらすじを載せておきます。
あらすじ
子供の頃、ガチョウを殺してしまった人間は、欲深く、馬鹿だなあと思ったものですが、それ以上の感動はありませんでした。
また、このお話から得られる教訓として、今ある幸せに気づき、それを大事にしていこう、というものでしたが、これにもそれほどの感動はありませんでした。
ですが、この話は資産家になることがどういうことかが端的に示されています。その重要性に気づくと、インカムゲインについてしっかりと理解できるようになります。
僕はこのガチョウの話と投資の関係を知ってから、投資を継続する気持ちを保つことができるようになりました。
目次
インカムゲインを童話から学ぶ。金の卵をうむガチョウが教える3つの教訓
お金を稼いだら、すぐに使ってしまいたくなる。もしくは、気がついたら、すぐに使っていた。ということはないでしょうか。
また、稼ぐ前に、もう支払先が決まってしまっている、なんていうことも、、
往々にして、お金が貯まらなかった当時、僕の収入と支出のバランスはこのような実態でした。気がつくとお金がない、もしくは支払先がもう決まっている、という感じです。
収入が支出を上回るようにするためには、まずは支出を減らすことも大変大切なことですが、一方で収入を増やす努力もとても大切になってきます。
その、収入を増やす方法の部分に、このガチョウの話が関わってきます。この話でガチョウが本当に表わしているものはなにか、本当の教訓は何かがわかると、収入を増やす考え方を身につけることができると思います。
今ある幸せに気づき、大切にしていくことと同時に、これから得られる幸せ、お金を増やしていくための基礎的な考え方について、一緒に考えてみませんか
1.金の卵は利息や配当
ガチョウが産む金の卵、これは利息や配当などのインカムゲインそのものを著しています。
話の中では、一日に1個、金の卵が産み出されます。それ自体はとても貴重なものであり、これを売りに行くことで、貧乏な男の生活は豊かになっていきます。
ですが、産み出されるペースは変わりません。男は結局、この金の卵をたくさん得ようと欲張り、ガチョウを殺してお腹を開けてしまう暴挙に出てしまいました。
これは、時期が来れば、一定の配当を得られる株式を得たようなものです。ガチョウと同じように、株式や投信、不動産のような資産は、配当や分配金、家賃といったような金の卵を産んでくれます。
しかし、それ自体は増えません。これをいかに増やすかは、ガチョウの飼い主である、資産の持ち主に委ねられているというわけです。
ガチョウを殺してしまう、つまり株式なら売ってしまうことになるでしょうか。手放してしまえば、もう配当は得られません。金の卵は産まれなくなってしまいます。
このように、資産をもっていれば、いくらか入ってくる利益が「インカムゲイン」と呼ばれるものです。ガチョウは資産、金の卵は配当、というわけです。
イソップ童話、恐るべしです。ここまでの真理を童話で説いているわけです。だからこそガチョウは大切にしなければならないし、むしろより豊かになるためには、男はガチョウを増やす努力をするべきだったのです。
2.ガチョウは資産
2.1 資産
先ほど、ガチョウは資産と書きましたが、とにかくその持ち主にいくらかの利益を与え続けてくれる元になるもの、お金の自動販売機のようなものが、資産です。
よく銀行で、家や車のような、大きなもの、売ったらいくらかお金になるものを資産と振り分けていますが、この捉え方では資産を理解しているとは言えません。
賃貸不動産や株式、投信など、持っているだけで配当や分配金、家賃が出て、自動的にお金が入ってくるものが資産です。
この考え方で行くと、自分が住む家、ゴールドや絵画、先物、年代物ワインなどは、ちょっと資産とは言えなくなってしまいます
これは、会計上は資産と言っていい品物ですが、お金持ちになるためには、まずはきちんと利息や配当を生んでくれるものを資産と位置づけられるようにした方がいいと思います。
その意味で、この話におけるガチョウは立派な資産です。そして、資産から産み出される配当は、それ自体はいつも少額です。
2.2配当
昔、酒蔵に見学に行ったときに、大吟醸が作られる工程を見せてもらいましたが、配当はこれに似ていると思います。
大吟醸は、お酒では最高級の高級品です。お米の中でも品質のいいものを吟味し、粒の大きさも揃えます。この時点で粒の大きすぎるものや小さすぎるものは除外されてしまいます。
さらに、その残ったお米を50%くらい研磨し、お米の真ん中の部分だけを作ります。この状態からお酒を搾り取っていくのです。
ですので、たくさんのお米を用意して、大吟醸がとれるのは、ほんの数滴。これを集めて一升分にしていくわけです。
配当の感覚も、これと同じです。たくさんの資産を集めて、ようやく数%の配当収入となります。日本の株式では、配当のパーセンテージは2~3%。うまみが抽出されるためには、相当な資産が必要となるわけです。
あらためて資産の大切さに気づかされます。
3.人間の欲深さについて知っておく
この童話でも、男は裕福になろうとしました。もし、本当に裕福になろうとしたら、男はガチョウを増やす努力をすべきだったかも知れません。
金の卵を育て、もう一羽金の卵を産むガチョウを育てる。こうした努力が必要です。そだてたガチョウが金の卵を産むかどうかはちょっと別として(^_^;)。
でも、株式や投信なら、ガチョウを増やすことは簡単です。産まれた配当や利息を貯めて、また株式というガチョウを買えば良いわけです。
まさに、「貯蓄と再投資」のくり返しです。これが資産形成に重要となってきます。地道な作業ですが、これによって得られる金の卵も増えてきます。
3.1 貯蓄と再投資
金の卵は1個が2個になるまでは大変に時間がかかりますが、30個が40個、または100個が200個になるまでの時間は、どんどん短くなっていきます。産み出すガチョウの数が増えていくからです。
また、ガチョウの質もつねに吟味していなくてはなりません。病気もせず、定期的に金の卵を産み続けるようなガチョウを育てていかなければなりません。
それだけに、人に言われるがままにガチョウを買ったり、一度買ったガチョウをあまり世話しない、というのも良くないわけです。
自分でよく考えずに、銀行から言われるままに投信を買った、買った株式について情報収集したり、入れ替えのメンテナンスをしなかったことで、結局高配当が得られなかったり、資産そのものを失ってしまう、ということもあり得ます。
そんなことが起こったとき、あの銀行にだまされた、と怒ったりすることは適切な行為と言えるでしょうか。また、株式投資はやっぱりうまくいかない、と諦めてすぐに売り払った結果、売りの価格も下がって大損したと怒るのは適切でしょうか。
これこそガチョウを殺してしまう行為と変わらないと思います。
3.2 益と損
人間は、「すぐに、簡単に、たくさんの」収益が得られなければ、大損をしたと思いがちなものです。そして、大損をしたと思えば、怒りがこみ上げてきます。騙されたとか、自分は運が悪いなどと解釈し、怒り、落ち込みます。
これも、人間の欲深さです。一定のインカムゲインを得られるようになるには、たくさんの資産を積み上げる必要があります。
得られるうまみは、大吟醸のように、ひとしずくなのですから、これを理解していなければなりません
まとめ ガチョウは増やせる!
ここまでの話をまとめてみますと
1.金の卵は利息や配当
2.ガチョウは資産
3.人間の欲深さについて知っておく
ということになります。資産形成はたしかに大変な作業です。
しかし、一度作ってしまえば、安定的に利息や配当がポケットに入ってきます。
話では資産はガチョウにたとえられています。
が、実際の世界では、資産は株式や投信、不動産のことになります。なので、堅実買い増していくことで、ガチョウを現実的に増やしていくことは可能です。
金の卵を産んでくれるガチョウを沢山買えれば、得られる金の卵で益々お金持ちになります。要はそこまで持って行くための気持ちの持ちようが一番大切なのだと思います。
欲をかかず、淡々とインカムゲインを増やしていくことです。そのために、ガチョウと長く付き合っていく気持ちや学びを継続すること。そして、その気持ちをしっかりと持ち続けること、この気の長さが大切です。
投資で挫折することなく、学びを継続すれば、豊かな生活を送ることは可能です。僕もまだまだですが、豊かな生活をめざしてガチョウを育成中です。
挫けることなく、淡々とガチョウを増やし、金の卵に囲まれた生活を目指します。