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今日は結論から言います。
住宅ローンは組まない方が良い。これです。なぜなら、何を隠そう、僕自身が住宅ローンを組んで、今とても苦労しているからです。
思えば投資との出会いは、会社員時代の転勤で、この住宅ローンの家を貸すことができたことからが始まりではありました。
その点ではこの家との出会いには感謝していますが、投資の中身で考えると、僕がやってきたもののなかで、最も悪い投資となっていることも事実です。
住宅ローンを組もうか迷っている人がいたら、間違いなくオススメしない。というのが今の僕のスタンスです。
とはいっても、僕のように、もう組んじゃったよ!というひともいると思いますので、そういう人がどうしていくべきかについても考察していきます。
目次
- 住宅ローンは組むな。経験者が語る借金との向き合い方7カ条。
- 1.毎月の出費が確定してしまう
- 2.30年間同じ出費を続ける難しさ
- 3.払い終わる頃には家がボロボロ
- 4.以外に多いローン以外の経費
- 5.もうローンを組んでしまったなら
- 6.現金で買い続けるメリット
- 7.住宅ローンを組まないこと自体がいい投資
- まとめ 10万減らすか、10万増やすか
目次
住宅ローンは組むな。経験者が語る借金との向き合い方7カ条。
借金には、良い借金と悪い借金があります。一言で説明するのは難しいですが、借金によって稼げる利益が、毎月の返済を遙かに上回ることができる場合にのみ、する価値がある、ということになります。
いい借金については、こちらでも考察していますので、もし良かったらご覧ください。
しかし、住宅ローンは、返済をうわ回る収益がポケットに入ってくることはありません。はいってこない上に、毎月の家計に対して莫大な額を固定費として抜かれてしまうのです。
現金で買うのと、ローンで買うのは、それほど大きな違いがあります。経済的に自由でありたいなら、住宅ローンはかなり大きな足かせを着けられてしまうことになってしまいます。
1.毎月の出費が確定してしまう
住宅ローンですので、だいたい1000万〜3000万、ちょっと属性がいい人なら、5000万〜7000万は借りることになると思います。
1000万を35年ローンとしても、利息もつきますので、月の支払いは結構なものになります。
銀行も上手いもので、だいたい年収の5〜8倍くらいで貸すようになっています。
月収の2割から3割くらいに収めるようにできているので、どの給料の人も割合としては同じように負担することになります。
よっぽど給料に対して安い物件を買わない限り、数万円から十数万円を毎月抜かれてしまうのです。
現実的に、一般的な500万~1000万の間くらいの人がほとんどだと思いますが、それぞれがこれだけの固定費を20年~35年、固定で抜かれ続けるのです。
もし毎月10万円の固定費が無かったとするなら、即時に安い家賃の家に引っ越して貯金することもできます。その10万円で、家族の人数に合わせた部屋数の家を選ぶこともできます。
時と場合に合わせて、貯金することも、家のタイプを変えることもできます。
2.30年間同じ出費を続ける難しさ
恐ろしいのは、途中で物件を手放してローン地獄から抜けようとしても、9割方の確率で抜け出せないことです。
物件の価値は、購入した瞬間から大きく下がります。日本ではほとんどの場合、上がることはありません。とすれば、住宅ローンをやめるなら、購入価格よりも大分下がった値段で売却することになります。
そうすると残債が残ってしまいます。もはや物件もないのに、借金だけが残る、という最悪の結果になってしまうのです。
本当の意味で住宅ローンがチャラになるのは、あなたが死んだときくらいです。団信によって、ローンはチャラになりますので、家族には家が残ります。
つまり、あなたが生きている間は、ローンを組むことはできても、やめることはできないのです。数千万というの高額の借金を組みながら、途中ででやめることもできない。この地獄の仕組みが住宅ローンです。
あなたができることは、完済まで収入を保ち続けることです。つまり、労働者なら、簡単には労働をやめることはできなくなります。
ですが、現代は終身雇用は崩れ、早期退職も盛ん、ボーナスカットや給料目減りも当たり前の時代とないました。
いま直面しているコロナ禍でも、さまざまな企業が窮地に立たされています。自営業であっても窮地に立たされる人も多くいます。
人生何があるか分かりません。20年~35年という期間、一定額を借り続けるというなかに、このような事象を人生プランに組み込んでいる人が何人いるでしょうか。
3.払い終わる頃には家がボロボロ
当然ながら、家も消耗品です。何年も住み続ければ、どんなに丁寧に住んでも、修繕は必要になります。
一戸建てなら、雨漏りやシロアリ対策、壁の老朽化、トイレの詰まり、軒先の虫や鳥などの害の対策、庭があれば雑草のケアなど、やることは様々です。
マンションでも、10年に1度、強制的に大規模修繕が入ります。
これを滞りなく行っても、35年後の家と新築の家、見比べたときにどちらの方が見栄えがいいかは、いわずもがなです。
何十年も10万円前後を払い続けてきた結果、得られる物件はそれだけ老朽化してしまいます。これは避けがたい事実です。
法的には木造の耐用年数は22年、鉄筋コンクリートでも47年です。この数字をすぎた年代の建物の価値は、法的には保証されないと言うことです。
しっかりと出口を決めるか、なにか価値をつけ続けなければ、ローンを払い終わったとには、古びた建物が残るだけとなってしまいます。
ましてや子供達が独立し、夫婦二人だけになった場合は、二階建ての2階や4LDKのマンションの1,2室は、まったくの宝の持ち腐れとなってしまいます。
サイズ感の合わない老朽化した家での暮らし。その家を手に入れるために苦労した30年間。はたして自分らしい人生といえるでしょうか。
4.以外に多いローン以外の経費
じゃあ、住まないで貸せばよい。という話もあるでしょう。たしかに毎月のローン分を家賃に転換して、入居者に払ってもらう。これなら理論上、費用はチャラにできます。
新築マンション投資の宣伝などでもよくある謳い文句です。
運良く入居者も見つかり、空室も避けられれば、給料と合わせてしばらくは窮地を凌げるでしょう。
ですが、住宅ローンと家を所有する、ということは、別個で考えなければなりません。
かしとこか。と言う言葉があります。不動産を賃貸に出すなら、覚えておくべき基本の出費です。
か 仲介業者の管理費
し 修繕費
と 都市計画税
こ 固定資産税
か 管理組合の管理費(戸建てなら町内会費)
修繕のところでも出費に少し触れましたが、このほかに固定資産税、都市計画税、購入したときには不動産取得税、不運にも売却となれば、不動産売却税などもかかります。管理組合や町内会への費用もあります。
住宅は、住宅そのものの費用がMAXではないので、その付帯費用も意外とかかります。
住宅ローンは、あくまで住宅そのものに対する金額しかカバーしていないので、修繕費や税金は別途かかることになります。
賃貸ならほぼ家賃のみを考えていれば、あとは初期費用と更新料くらいですが、購入してしまうと、こういった資金も経費として考えておかねばなりません。
ながい住宅ローン生活のなかで、この費用がけっこうなボディブローとなります。
5.もうローンを組んでしまったなら
ここまでは、じぶんでも言い過ぎとも思えるほどの住宅ローンのデメリットを述べてきました。
いくら住みたい家に住む。家族との幸せな生活は、一国一城を手に入れるところから、とおもっても、先立つものをこれだけ天引きされてしまうのです。
とにかく、これから住宅ローンを組もうと思っている人に思いとどまってもらうべく、さまざま書いてしまいました。
ですが、僕と同じく、もう住宅ローンを組んでしまったよ!という人もいると思います。そういう方には、借り換え、延長、繰り上げ返済など、をおすすめします。
目的は、とにかく「毎月の支払いを下げること」です。とにかく5000円でも、1万円でも毎月の支払い額を下げることができれば、そのままキャッシュフローが増えることになります。
理想は繰り上げ返済です。たとえ100万円でも、その返済の価値は100万円+残り返済年数の複利となります。
ですがなかなかまとまったお金を貯めて返済するのは難しいところです。そんなことができれば、お金には困っていないでしょう。
しかし、住宅ローンをずっと放っておけば、多額の残債に利息が複利でかかってきますので、支払総額は増えますし、いつまで経っても支払いが終わりません。
何かいい方法はないものでしょうか。
ところで住宅ローンは、低めの利息ではあるものの、多額の残債をかけることで、総額として大きな利益を取るのが銀行の作戦です。
もし、住宅ローンを組んでしまった人で、繰り上げ返済も苦しいひとがこの地獄に対策していくなら、とれる手段はすこし思い切った方法となるでしょう。
こちらの資金は当然ながら少ないので、高めの利息をかけ、住宅ローンの増加量に追いつける資産運用をしていくことです。
というわけで、やはり投資しかないと思います。住宅ローンなら1.5%~3.5%くらいでの運用がされていると思いますので、こちらは年利5%以上で資金を回していく作戦をとります。
ややリスクが高くなりますが、実現不可能というわけでもありません。5%以上で回すなら、投信や海外の高配当株式や債券などでも、可能な商品があります。
いくらを何%の複利で回せば、どのくらいにできるかは、こちらを参考に計算してみるのも良いかと思います
なにもFXなどにレバレッジ25倍で100万を注ぎ込み、勘で取引するようなことまでする必要はありません。
ただ、もしまだ住宅ローン検討中の方で、このようなリスクを高いと考えるなら、やはり組まないことをオススメします。
6.現金で買い続けるメリット
ちなみに、現金で身の丈に合った住まいから手に入れるとしましょう。若いウチは現金で中古の1000万円以下の中古マンションや、駅から遠い中古戸建てなどを手に入れるとします。
夫婦二人なら、10年くらいの貯蓄と手堅い投資を組み合わせれば、32,3歳くらいで700~800万円くらいの家を現金で買うこともできます。
蓄財しながらしばらく住んだ後、この家を6,7万で貸しに出し、40歳くらいで子供と生活できる広めの家を購入します。
本業も熟練し、給料も上がっているかも知れません。貯金も投資もうまくなっているので、現金もそれなりにあることでしょう。貸しに出したお金を合わせれば、45歳くらいで1000万~1500万くらいの家の購入にステップアップできるでしょう。
さらに子供が大きくなれば、これをさらに貸し、一人に一部屋の大きな家を購入することもできるかもしれません。
さらに50代くらいになって、出世していれば、さらに大きな家の購入もできるでしょう。
逆にもしリストラとなっても、3軒分の賃貸料、そのほかに取り組んできた貯金と投資からの収入もあります。
このあたりで持っている家を精算する、という選択肢もあります。中古物件なら、新築に比べ大きな資産価値の減少も抑えられますので、リスクも小さくできます。また賃貸物件という選択肢もあります。
これだけ物件に触れてくれば、物件探しも賃貸スキルも上手くなっていることでしょう。
人生の浮き沈みによっての進路選択もできますし、きちんと現金や資産も手元に残ります。
子供が独立してしまえば、それほど大きな家は、もう必要ないかも知れません。となれば、3,4軒の物件と、いくらかの現金が残っているはずです。
もし住宅ローンを組んで額面通りに返済を続けていたら、このころはまだ支払いが続いています。
変化のおおきい時代、変化の大きい人生のなかで、選択肢を固定しないで生きるというのは、自由度が高まると思います。
小さくても、少し不便な家でも、現金で買い続ける方がメリットは大きいと思います。
7.住宅ローンを組まないこと自体がいい投資
分相応、身の丈にあわせる。こういった言葉もあります。つまり、ポケットにお金が入らないのに、借りてまでいい暮らしをするのは、まだ実力が足りないということです。
考え方にもよりますが、よりよい暮らしを求めて一生懸命稼ごうとする方が、ハングリー精神がうまく効き、いい形で実力が発揮できます。
先に借金してモノを手に入れた上に「ローン組んじゃったから頑張ろう」となると、苦労する上にギブアップすることもできません。
人生の選択肢を残しつつ、資産構築する。しかも、手元に現金があれば、いかようにも投資し、増やすこともできます。
逆に、例えばおよそ3000万円を年利3%で35年ローンを組めば、総額約4000万、月額にならして約10万円を支払うことになります。
逆に言えば、この分をそっくり自分の自由にできるのです。このこと自体が投資と言えます。
この時点では大きくて綺麗な家は手に入りませんが、10年後、20年後の将来はとても明るくすることができるでしょう。
まとめ 10万減らすか、10万増やすか
ここまでの話を振り返ってみると
1.毎月の出費が確定してしまう
2.30年間同じ出費を続ける難しさ
3.払い終わる頃には家がボロボロ
4.以外に多いローン以外の経費
5.もうローンを組んでしまったなら
6.現金で買い続けるメリット
7.住宅ローンを組まないこと自体がいい投資
と、いうことになります。とにかく住宅ローンを組もうか迷うなら、組まないことをすすめます。
ただし問題は、もう組んでしまったなら、やめるのも難しいのが住宅ローンです。毎月の支払いを減らすか、ローン分だけより多く稼ぐよう対策を練りましょう。
負担を軽減して月収を確保し、キャッシュフローを上げるようにする。これによって返済を早めていく。ここに投資を組み合わせる意味があります。
効率よく、手堅い投資をしっかり学ぶことで、組んでしまった住宅ローンに対策を打つことができます。
というわけで、いつも通り投資のすすめとなってしまいましたが、こうした時代の荒波も、住宅ローンの支払い地獄にも対策打てるのが投資です。
少しずつでも知識を積み上げて、よりよい将来を手に入れたいものです。