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ようやく手持ちのシェアハウス物件が満室となりました。
オープンしてから、半年。個人的にはとても長く感じましたが、運営ノウハウを身につけるには大切な期間だったと思います。
振り返ってみれば、立地が最悪でした。
次回の購入時は、もっと気をつけたいと思いますが、物件はかなりの坂の上にあり、第一種低層住宅地域にあるため、ちかくにコンビニもありません。
それでも、5ヶ月を過ぎたあたりから、毎週問い合わせをもらえるようになり、繁忙期と重なったのもあって、内見も増えました。
今ではとてもよい入居者の皆さんに恵まれ、仲良く過ごしてもらっています。
目次
- ついに満室達成。人気物件を作る5つのポイント
- 1.徹底して掃除する
- 2.害虫対策に予算をかける
- 3.騒音対策はハードとソフトでカバー
- 4.マイソクを作成する
- 5.自信を持って宣伝する
- 6.入居者とコミュニケーションする
- まとめ 家賃を下げる前に、出来ることを試す
目次
ついに満室達成。人気物件を作る5つのポイント
コロナショックで共同住宅はかなりピンチになるかと思っていました。
たしかに、ヨーロッパなみにコロナが蔓延すれば、個別の居住スペースが保たれないシェアハウスや老人ホームなどは、アパートやマンションに比べリスクは高いと言えます。
個室があるシェアハウスでも、お風呂や洗面所、キッチンは共用です。完全な個室が提供できません。
ある意味、家族で住んでいる人達と状況は変わらないわけです。家族内感染と同じ要領で、感染していく可能性はあります。
ですが、ここ最近の新規感染状況は、もちろん油断はできないものの、全国で100人を下回っています。
こうなってくると、感染以上に住まいの問題を抱える人の方が圧倒的に多くなってきます。
よりよい住まいを探して、また、現在の経済状況を考え、今より安い家を探す人も増えてきます。
そういった背景からか、僕の物件にも問い合わせが増えてきました。そしてついに満室。
そこで改めて、基本を確認する意味でも人気物件を作るポイントをまとめておこうと思います。
備あれば憂いなし。しっかりと準備して、内見後のスムーズな入居を勝ち取るためのポイントをご紹介します
1.徹底して掃除する
簡単かつ基本的でありながら、これが結構難しい作業となります。
ですが、あたりまえながら、物件を綺麗に保っておくことは、とても重要です。
いつなんどき内見者が訪れても、自信を持って物件をオススメするためにも、掃除は徹底して行うのがよいと思います。
特段お金をかける必要もなく、自分のやる気次第で手をかけられる方法ですし、くまなく掃除することで、物件のことを隅々まで知ることができます。
掃除をすることで、古い物件であっても、隙間をテープで埋めたり、DIYで修理したりと、利用者により心地よく済んでもらう努力をすることができます。
なにより、自分が物件のことをより好きになり、宣伝意欲が湧きます。
2.害虫対策に予算をかける
予算をかけるとしたら、ここでしょうか。とくに築古物件リフォームでの賃貸であれば、なんらかの虫は付きますので、対策する価値があります。
購入時に保証されていても、一度は業者に床下を調べてもらいましょう。
最も駆逐しておくべきは、シロアリです。これは家の躯体に関わります。
床下に拠点となる巣をつくり、そこから建物へと登ってきます。木造ならせっせと柱を食べてしまうので、ご自身で信用できる業者に、しっかり目に薬剤を散布してもらいましょう。
僕は高くても信頼できる業者が良かったので、ダスキンに相談しました。このほかシロアリ110番などが評判が良いようです。
満室前なら、薬剤を撒いても入居者に迷惑がかからないので、オープン前に手を打つことをオススメします。
以前書いたように、僕はこのケアを後回しにした結果、シロアリと格闘する羽目になってしまったことがあります。
ちなみに、シロアリの薬を散布すると、ゴキブリにも効果があるということです。
床下の虫を一掃すれば、ネズミやモグラなどの害獣もぐっと抑えられます。
まずは文字通り足元をしっかりと対策し、その後物陰やキッチンの隙間、天井(雨漏りしていた箇所などは湿気がたまり、虫がつきやすいので要注意)などにはベイト剤(毒餌)をまきましょう。
さらに、怪しいと思った箇所にはあらかじめ殺虫剤をスプレーします。殺虫剤には忌避剤が含まれていますので、防衛線を張ることができます。
あとは隙間を探してテープで埋めていきます。
最終的には、全てを塞ぐのはなかなか難しく、どこから入ってくるのかわかりませんが、入ってこられる箇所を少しでも少なくしていきましょう。
3.騒音対策はハードとソフトでカバー
ファミリーに住んでもらうならともかく、シェアハウスにするなら、騒音は少なからず問題になります。
かと言って、話し合いをしたい人もいれは、電話をかけたい人もいます。これを入居者の個室でやられると、壁の薄いシェアハウスではすぐにクレームの元です。
できれば、個室からなるべく離れた一室を共有スペースにし、そこへ誘導するようにします。
共用部までドアが二つくらいあると、通常の話し声くらいなら十分耐えられます。そういう構造の家でなければ、一室だけ防音壁を入れて、そこを共用部にしてもよいでしょう
いまは、防音壁もパネル式でDIYできますし、値段も比較的安価になってきています。
もし不可能であれば、ハウスルールで電話や話し合いを小声で行うことや、ヘッドフォン、耳栓の使用を促します。
同時に、シェアハウスではホテルライクのような完全な音の遮断はできないことも伝えます。
こうした入居者同士にお互い様の意識を持ってもらい、騒音の防止と一定の許容に協力してもらうことも必要です。
また、騒音を頻繁に出す人、注意、警告を踏んで退去させる勇気も必要でしょう。
また逆に神経質すぎて小さな音に反応しすぎる人もいます。こういった人も残念ながら、シェアハウス居住は向いていません。
残念ですが、別の物件に移ってもらう方がお互いのためだと思います。内見の時にあらかじめしっかりと説明し、納得の上入居してもらいましょう。
4.マイソクを作成する
物件のマイソク(概要書)を作っておくと、何かと便利です。ふとしたことで不動産仲介業者からも問い合わせが来たりしますし、入居者探しに協力してもらえたりもします。
見取り図をつくり、入居条件などを埋めておくだけで、一通りのものはできます。
一度物件の近くの不動産屋に売込みに行き、マイソクを作りたいので協力してほしい、と言えば、雛形をくれますので、それを埋めていくとよいと思います。
一度作っておけば、ふとした時に物件紹介をする時、チラシを渡したい時、ネット上やメールで手早く物件を紹介したいときなどにとても役に立ちます
5.自信を持って宣伝する
ここまで準備してきたら、あとは自信を持って宣伝するだけです。
おそらく、掃除をやり込み、防虫対策をして、騒音対策をし、マイソクをつくったら、物件の短所も長所も見えてくるはずです。
触れ込み方としては、弱点はしっかりと紹介し、それを上回る強点を強調することです。
マイソクの宣伝文句も、ネットのポータルサイトの文言も、内見者に対しても、この姿勢で強気に臨みましょう。
嘘や誇大広告は処罰の対象となってしまうので、事実と違うことを書くのはやめましょう。また、弱点を隠すことも、信用を落とします。
その弱点にあとでクレームを入れられるよりは、その前に物件に住まない方がお互いのためです。
弱点がネックで入居しない人は、もともと物件とは縁がなかったということです。ですので弱点は隠さずに説明します。
内見となると、ついつい契約を取りたくなりますが、後々の管理のことも考えて案内する方がクレームなどで苦労しなくて済みます。
こう書くと、大家の方が物件のことを知っているだけに、誰も入居してくれないような気がしてきます。
ですが、必ず物件を購入する時に、自分が気に入った面があるはずです。ここを自信を持って相手に伝えるようにします。
誰でも、完璧な物件がないことはわかっているものです。それでも、自分の生活背景や経済状況などから、よりよい住まいを探して来ています。
綺麗である、というのは、意外にもそれだけで差別化できます。また、シェアハウスであれば、入居者同士の揉め事の少なさ、値段の安さなども差別化になります。
この点はしっかり対策してきているわけですから、物件の弱点を上回る強みであることを強調します。これで入居者にきっちりと短所と長所を天秤にかけてもらい、決断してもらいましょう。
僕の物件も、高い坂の上にあり、駅からは15分〜20分かかります。バスは30分に1本しか来ない、陸の孤島のようなところにあります。
この立地によって、集客に何度も苦戦しました。内見者も、この坂を見て、帰ってしまうこともしばしば、、
それでも、古いけど物件が綺麗で風情がある、閑静なところで落ち着きがある、対応が早い、などの、別の評価をもらえる人もいて、住んでくれました。世の中捨てる神あれば、拾う神ありです。
拾ってくれる神様のために、尽くす方が気持ちいいです。
6.入居者とコミュニケーションする
これは賛否両論ありますが、僕はわりとコミュニケーションをとっています。
賃貸不動産投資は、空室対策はもちろん問題なのですが、管理もそれに次ぐ大きな問題です。
とくに、住み始めてから入居者が家に慣れてくるまでの段階も、対応次第では意外とお金がかかってしまうところです。
そのため、入居者が新生活をここではじめてよかったと思ってもらうために、連絡を入れています。
あまり親しくなりすぎると、設備を変えて欲しいとか、ちょっとした問題でもすぐに修理して欲しい、と言われそうです。
ですが、ある意味導入時に出来るだけ厚めに対応すると、安心して住んでくれるようになり、かえって注文が減ってきます。
入居者にしてみれば、住まいのことは早く解決して、新生活の内容に力を注ぎたいわけですから、ある意味当たり前とも言えます。
仕事のことや、恋人とのこと、家族のことなど、入居者にとっては、そもそも引越しに至った目的があります。住まいに文句をつけるために引っ越してくる人などいないでしょう。
そうした新生活の導入をスムーズにさせる手伝いをすることの方が、信頼も勝ち取れますし、クレームも減ると思っています。
実際、満室まではかなり頻繁に物件に訪問せざるを得ませんでしたが、最近は大分回数も減り、落ち着いた賃貸経営になってきています
まとめ 家賃を下げる前に、出来ることを試す
ここまでの話をまとめてみます
1.徹底して掃除する
2.害虫対策に予算をかける
3.騒音対策はハードとソフトでカバー
4.マイソクを作成する
5.自信を持って宣伝する
6.入居者とコミュニケーションする
というわけで、今回の物件はこのような手順で家賃の減額には一切触れずに満室にすることができました。
なかなか入居希望がなく、何度も家賃の減額をしようかと考えましたが、結果としては、最後の部屋は値上げしても入居いただくことが出来ました。
一連の流れを経て思うのは、空室対策として、どうしても家賃の減額という切り札を借りたくなりますが、そこにいくまでには沢山やる事がある、という事でした。
ネットでの募集ひとつとっても、ブログと同じく、SEO対策があって、物件名がネットじゅうに浸透して、反響が得られるまで、労力も時間もかかります。
せっかく手塩にかけて作り込んできた物件ですので、適正な価格で賃貸したいものです。
手を尽くすと、良いこともあります。ぜひ人気物件に育てるために、いろいろ考えを巡らせたり、調べたりして、打つべき対策は試しておくべきだと思います。