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不動産投資における物件の買い付けについて、どんな基準で家探しをすべきなのでしょうか。
僕自身も模索中ではありますが、そんな僕でもすでに何件か購入してしまっているので、失敗点と成功点がいくつかあります。
もちろん、安く購入でき、空室が確実に埋まり、きっちりと利回りがでる。こんな物件だったら、いくらでも購入したいわけです。
ところが、人口も減っている日本の住宅事情の中で、なにを買っても簡単に空室が埋まるとは限りません。
また、欠陥物件、事故物件などもあります。購入してから「こんなはずじゃなかった」という物件をつかんでしまうこともありますので、安いからと簡単に飛びつくのも危険です
高い買い物になりますので、後悔しないよう、自分の購入基準を作っておくことが大切だと思います。
忘れることなくその基準をチェックし、さらに自分でよくよく物件を見極め、売り手や契約事項を確認して購入すれば、後で後悔することもなくなります。
ある程度慎重に購入できるようになるために、購入基準の作り方を3ステップで書いてみましたので、参考になれば幸いです。
目次
- 何をみて購入を決めるべきか。
- 1.不動産サイトに登録し、マイソクを毎日確認する仕組みを作る
- 2.区分、戸建てなど、自分が今後購入をねらう物件タイプに絞る
- 3.自分の購入基準を作ろう
- まとめ 買ってしまった物件を正解にする
目次
何をみて購入を決めるべきか。
不動産投資は、投資の王道とも言われ、富裕層も最終的にはよく行き着くタイプの投資です。それだけに、安全性の高さや実績の確実さは保証済みと思われがちです。
ですが、どんなに安い物件でも、およそ300万円以上はかかります。超ボロ物件などを10万位で買って、リフォームしている人もいますが、これは例外的というか、かなり研究している人ですので、あくまで一般的なやり方でお話しします。
区分マンション、築30年以上、地方都市という条件なら、300万~500万円くらいで購入できます。
ですがそれでも、車一台分よりも高めです。大変高い買い物には違いありません。
それだけの買い物をしながらの投資ですので、できるだけ良い形で成果を出したいですよね。
しかも不動産業界は、ブラックボックスが一杯です。怪しい業者に騙されてしまったり、建付けの悪い物件をまんまと購入してしまったら、投資どころではありません。
自分らしい基準を作っておき、購入時にそれに当てはめる。総合で納得いくくらい基準を乗り越えていたら買う、というようにしておくと、公開の少ない買い方ができるのではないでしょうか
1.不動産サイトに登録し、マイソクを毎日確認する仕組みを作る
別に、購入する物件は特別な情報を介して得るわけではありません。SUUMOやHOME’Sなど、メジャーといわれるような物件情報サイトを通じて購入します。
もちろん、大金を出してコンサルタントなどと契約すれば、川上情報といわれるような、安くておトクな物件の紹介は受けられますが、その物件が完璧とも限りません。
自分の理想にどれだけ合致しているのか、についてはたくさんの物件情報を見て、経験値を上げておくしかありません。
眼を養うには、もちろん現地に行きまくるのはいいのですが、不動産については、目で見て分かる部分よりも、それ以前に入手しておくべき情報がたくさんあります。
だからこそ、物件情報サイトを検索しまくって、マイソクといわれる物件情報概要をたくさん見ておく必要があります。
マイソクには、ある程度抑えておくべき情報がたくさん載っています。自分がこの家に住むとしたら、住めるか?を念頭に、マイソクの情報を眺めてみましょう。
僕の場合は、価格、駅からの距離、方角(陽当たりなどの確認)平米数、部屋数、など、だれもが賃貸住宅などを探すときに目にするような情報からまず見ていきます。
もちろん、マイソクに載らないような、目に見えない情報というものもありますが、(事故物件など)1日10軒くらいを毎日見ていると、自分なりの見所が絞られてきます
2.区分、戸建てなど、自分が今後購入をねらう物件タイプに絞る
情報サイトにはありがたいことにいろいろと物件の条件を絞る検索機能がついているので、これを上手く使うと良いと思います
僕はまだ現金があまりないため、中古の区分をよく見ています。最近は戸建て賃貸もするので、戸建ても見始めていますが、まだ区分に比べると自分の基準が定まっていないことが分かります
区分だと、500万円くらいを目途に検索し、マンション自体の築年数、物件の広さ、管理費修繕費、駅から近いか、より都市部に近いところにあるか、などを見ながら、結局入居者が常に捕まるような物件かを判断していきます。
ひととおり、基準を満たす物件はお気に入りなどにいれ、すぐに問い合わせを出します。
問い合わせ時に聞くのは以下の4点です。調査のポイントも示します
- 賃借人の属性:購入後もしばらく住みそうな入居者か
- 物件の担保価値:その物件を担保にローンが引けそうか
- 修繕積立金の状況:管理組合がきちんと手入れをしているマンションか
- 売主の売却理由:売り急いでいるのか
昔はいろいろと聞いていましたが、まずはこの4つの質問でスクリーニングをかけるようになりました。
聞き込んでみて、あまりはっきり教えてくれないようなら、購入はスルーします。物件の担保価値は分からないという返事は多いですが、それ以外の3つは、へんな物件でなければだいたい教えてもらえます。
入居者はできれば、こういった区分なら、学生や転勤族ではなく、独身で地元就職の方あたりだと長く住んでもらえます。
修繕積立金は、だいたい15~25㎡の一人用の区分マンションなら、2500円~5,000円くらい毎月取っているはずですから、部屋数が20部屋あるマンションなら8割くらいうまっているとして、40,000円~80,000円くらいは毎月管理組合として回収しているはずです。
あとは築年数でかけ算します。築30年のマンションなら、10年おきに大規模修繕を入れているとしても、少なくとも1500万~2000万位は貯めているはずです。
最低でもそのくらいの蓄えがなければ、管理組合は機能していないとみて良いとおもいますので、購入はスルーします
売主の売却理由などは、主に事故物件でないかの確認です。戸建てになると、離婚を理由に売却する場合も多く、この場合は早い売却による現金化を望んでいますから、指値が通りやすかったりもします。
こうした基準は、ググれば、参考になる情報がありますので、それを参考にし、だんだんと自分の経験を加えて組み立てていくと、より強固なものになるでしょう。
3.自分の購入基準を作ろう
というわけで、自分の購入基準を作ってみましょう。あまり細かいモノを作ってしまうと、なんでも購入不可となってしまうので、まずは10~15個くらいにして、あとは自分でマイソクを見ながら条件を変えていくのが良いかと思います。
あまり基準にこだわりすぎると、実はいい物件だったのに、見逃してしまうという不利益も生じます。基準をもとに、あくまで自分の直感も活かせるようにするためにも、基準は10~15個くらいで良いのでは無いかと思います
ちなみに僕は、ざっくりと以下の基準を作って使っています。慣れてくると、これを見なくても、気に入る物件、そうでない物件が見えてきます。
ですので、これを片手にマイソクをみる、というよりは、ある程度気に入った物件が出たら、これを見直してみる、という手順です。
- 築年が昭和55年以降か(新耐震構造が義務づけられた年)
- 築年47年目にたいして何年残っているか(マンションの耐用年数が47年なので、価値がなくなってしまうため)
- 地盤が固い場所にあるか(むかしの新田地域や埋め立て地ではないか)
- 最寄りの駅の乗降者が1万人以上(借り手の間口が広い)
- 駅からの距離(10分以内じゃないとマンションの意味が薄まる)
- 所有権か
- 間取りが一般的に言って住みやすそうか(できればベランダが東から南向き。西向きのほうが人気が下がる)
- 1階や2階、もしくは1階の店舗のすぐ上でないか(マンションで1階や2階だと人気が低く借り手がつかない。また2階でも飲食店のすぐ上などは同じ。これ以外と重要です)
- 物件の写真をみて、設備の新しさ、リフォームの入り具合などを確認
- 自分がすぐにいける場所、馴染みのある場所か(これは検索で絞れます)
- 賃貸利回りが10%以上(同じマンションの賃料から類推する)
ざっくりこんな感じです。
まとめ 買ってしまった物件を正解にする
ただし、抑えておかなければいけないこととして、「完璧な物件は存在しない」ということです。
ここまで説明してきてだいぶ逆説的な話ですが、完全に都合のいい物件を見つけるよりは、妥協できる点を見いだしながら購入物件を決定する、というのが実際のところになります。
ですが、入居者が入ってくれれば、もし大分妥協した物件だとしても、正解物件に一気に変わるのです。逆に言えば、基準に80%沿う物件でも、入居者が入らなければ不正解です。
だから、致命的な部分以外であれば、購入後はこちらで直していけばよい、という考え方もできます。
そんなわけで、ある程度の基準を持って買い、買った後は、なんとしても正解物件にする、という覚悟も、とても大切になります。
ここまでの話をまとめますと
1.不動産サイトに登録し、マイソクを毎日確認する仕組みを作る
2.区分、戸建てなど、自分が今後購入をねらう物件タイプに絞る
3.自分の購入基準を作ろう
ということを押さえつつ、買った物件はもう、必死で入居者をつかむ、正解物件にする、ということです。
自分が住みたいような物件さえ買っていれば、かならず他にも住みたい人は現れます。
ですので、とにかくそういう物件を手にいれるか、足りない箇所があればリフォームして直すかすれば、借り手は現れます。
手当する箇所がリフォームではどうにもならない、ということがないように、購入時に気をつけるということが大切でしょう。
そのためのマイソク確認です。今後も僕は自分の住まいを探す感覚で、楽しんでいろいろな建物を見続けていきたいと思います。