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投資、と聞くと、もうこの時点で騙される、とか暴落で大損、というイメージを抱く人もいるでしょう。
一攫千金を狙ったギャンブル、と考える人もいるかも知れません。
手堅く貯金すればお金は増えるのに、なぜ投資までする必要があるの。と疑問に思う人もいると思います。
ですが、貯金ですら、価値をなくすことがある、と言われたら、どうでしょうか。
絶対安全だと思われている貯金ですら、時とともに意味をなさなくなるとしたら、一体何のためにコツコツ貯めているのか、もう馬鹿らしく思えてきてしまいます。
目次
- 投資は危なく、貯金は安全。は本当か
- 1.ランチの値段がじりじりと上がってきているという現実
- 2.危険な投資を避け、インフレのペースにあわせてお金が増える投資を始めよう
- 3.全面的に投資する必要はない
- まとめ リスクを取ると覚悟することが大切
目次
投資は危なく、貯金は安全。は本当か
結論から言えば、僕はノーリスクの資産保有の仕方は、無いんじゃないかと思っています。貯金ですら、さまざまなリスクにさらされながらも、安全であるかのような羊の皮を被って消費者達の前に現れているのです。
銀行ですら、潰れてしまう時代です。今般のコロナ騒ぎでも、ドイツ銀行は破綻の危機に瀕しています。再編をくり返す日本の銀行だって、どうなるかは分かりません。銀行にコツコツ預金を入れていれば安心、ということはないのです。
翻って投資も、必ずしも安全なものは一つもありません。投資ですから、貯金以上にリスクを持っています。
ですが、貯金の持つ不安要素は、銀行の破綻の危険だけではありません。もっとも恐れるべきは、インフレですし、すでに貯金派の人達は、気づかずにその損を背負い込んでいるとさえ言えます。
お金は、実は保存の仕方がとても問題なんじゃないかと思っています。その置き場所や保存の仕方によって、繊細に価値を変えていきます。
日本の銀行に置くのか、海外の銀行に置くのか、株や投信のような証券に変えておくべきか、または不動産にしておくべきか、絵画やワインにしておくべきか。
どのように保存しておくべきかによって、持ち主に対する価値が大幅に変わって行ってしまうのです。
1.ランチの値段がじりじりと上がってきているという現実
一昔前、僕が就職した2000年代というのは、ランチの値段はだいたい500円でした。ワンコインあれば、だいたい昼ご飯が食べられる。そんな価値観でした。
これがいつの間にか、2010年代になると、ワンコインは基本の値段で、それに100円や200円をちょっとつけて、オプションを購入する時代になりました。
ラーメン一杯も、基本料金は500円、それに味玉やチャーシューをつけると、700円、800円となっていきます。
それでも、ちょっとした贅沢を求めて、または少し多めの量をもとめて、僕らはあまり気づかずに支払ってきました。
贅沢を求めなければ、オプションを買わないことで、従来の500円でランチを食べることもできたからです。
それで、ラーメンも、お弁当も、500円くらい、もしくは500えんよりちょっと上くらい、というイメージがついていたように思います
これは、ちょっとした贅沢とがまんの二つを選択することができました。その選択できる自由が、ゆとりでもあったのかも知れません。
ですが、2020年を迎え、今ランチの値段はどうでしょうか。500円でランチをやるお店は激安店に位置づけられ、ラーメン屋は基本のラーメンですら700円~800円となりました。
すこし質を上げたラーメンを食べたい、と思えば、トッピングをつけた時点で1000円すら超えていく時代です。この20年、我々日本人の給料は横ばいか、下がり続けているという世相に反して、最も身近なランチの値段すらも、このように上がり続けているのです。
これがインフレです。経済活動がある以上、ハイパーインフレでなくても、かならず起こります。
日本は長らくデフレじゃないか、という反論ももちろんあるところでしょうが、給料は上がらないのに、物価は上がる、という最悪の乖離現象が、事実として消費者の間に起こっているのです。
2.危険な投資を避け、インフレのペースにあわせてお金が増える投資を始めよう
アベノミクスの狙いでは、ゆるやかなインフレを起こすべく、物価の年2%の上昇を目標に経済対策が行われてきました。
この結果、株価や為替には一定の結果が現れ、政府は2%の物価上昇を予定通り行っています。
物価上昇に伴う企業の収入上昇とそれにともなう給料の上昇には、大変なタイムラグがあります。
つまり、会社の収入が2%上がったからといって、ながらく不況だった会社の経営者が、すぐに給料を2%上げていこう、とは思わないわけです。しばらくは設備投資の額を上げたり、借りすぎていた借金の返済に充てたりして、経営を立て直そうとします。
斜めになっていた経営がたちなおらない限り、労働者への給与は変わらないわけです。
また、2%くらい収入が上がっても、当然仕入れ値も2%、もしくはそれ以上上がる訳ですから、もくろみ通りに経営が立ち直らない会社も数多く出てきます。
とくに、大企業は潤っても、中小企業は相変わらず、と言ったケースも多く出てきます。
そうなると、大企業は潤って物価上昇に耐えられても、中小企業はついて行けないわけです。
資本主義ですから、もちろん資本を持っている方が有利なわけですが、現実としてそうなってしまうので、結局ほとんどの日本人は給料が上がらなくなっていきます。
そこへ毎年2%ずつ物価上昇がかかっていくわけです。いろいろと調整策は入っていきますが、基本的に格差は縮まりません。
こうなると、毎月の給料は15万、毎日700~800円のランチには当然ついて行けず、お弁当持参、という図式になってくるわけです。貯金しても、どうにもなりません。
問題は、貯金の保存の仕方です。年2%とは言っても、単純計算で、10年で20%物価が変わってしまいます。
貯めたお金くらいは、この物価上昇についていくような保存をしなくては、収入のベースすら保てなくなってしまうのです。
せっかく10年かけてこつこつ500万位を貯めたとしても、(500万貯めるのもすごいことですが)10年で物価が変わってしまえば、あと100万や200万位は上乗せしないと、こつこつとやってきた価値に見合わないのです。
極端な話ですが、10年後に5000万をためて、土地付きの広い一戸建てを東京に建てようと思ってこつこつと資金を貯めてきた人がいるとして、10年後はそういった家が6000万から7000万円くらい払わないと変えなくなってしまう、ということになります。
泣く泣く東京の都心から離れた場所や、条件の悪い中古などで妥協したり、さらにあと数年きつい仕事と生活に耐えながら貯金を続けることになってしまいます。
もしかしたら、さらに物価が上がっていまい、結局は資金調達が追いつかなくなることもあるかもしれません。
そうならないように、物価の上昇に合わせ、同じか、それ以上に積み上がっていく保存方法でお金を保存しておかないと、「こんなはずじゃなかった」と嘆くことになってしまいます
3.全面的に投資する必要はない
たしかに、投資は危険が伴います。ですが、そう言っているだけ正直だと思います。全面的に安全と言い放っている貯金の方が、よっぽど詐欺的というか、嘘つき的な表現をしていると思います。
もちろん、暴落の危険性もありますので、全面的に貯金を投資に変更する必要はありません。
万が一のために、価値が下がったとしても、先立つものとして少しは取っておく方が良いとは思います。
たとえば、人にもよりますが、100万円持っていたとしたら、80万位は抑えておいて、20万円くらいを投資に回す。最初はそのくらいからでいいのではないでしょうか。
あとは毎月の収入から定期的に1万円または2万円ずつでもひねり出せれば、徐々に複利で増やしていくこともできます。
投資はギャンブルや投機とは違います。選ぶ投資先によりますが、投下した20万が減ることはあっても、まるまる無くなるということはまずありません。もし減ってしまっても、20万から始めていれば、再起を図ることも可能です。
まとめ リスクを取ると覚悟することが大切
貯金にしても、投資にしても、はたまた投機にしても、多かれ少なかれリスクがあります。少なくとも、絶対に安全なお金の保存先はありません。
大事なのは、リスクをとる、という覚悟です。すくなくとも、銀行に預けたとしても、それなりのリスクはとっている、という自覚が必要です。
そうでない人達は、いざ、預金封鎖、デフォルトなどがおこった場合は、銀行に殺到し、銀行を怒鳴りつけることになります。
また、物価上昇について行けなければ、知らないうちに貧困にあえぎ、自分が取らなかったリスクを政府や会社のせいにして、一生を過ごすことになります。
投資を理解し、どこにお金を保存するにもリスクであると覚悟し、リスクと向き合ってきた人なら、このような結末にはなりません。彼らは銀行がデフォルトになっても生き延びられるように、さまざまにお金を分散し、保存しています。
何があっても、減らないようなお金の持ち方を知ることです。そのためにも、投資に向き合う必要があります。
1.ランチの値段がじりじりと上がってきているという現実
2.危険な投資を避け、インフレのペースにあわせてお金が増える投資を始めよう
3.全面的に投資する必要はない
この三つを押さえながら、投資と向き合い、お金の有効な保存方法を知ることで、将来の生活をより安心、安全なものに変えることができます。
ぜひとも投資を知らない人は、まずは知ることによって、安全な投資の仕方や、貯金の危険性について理解を深め、少しでも投資を始められることをオススメします