母親はすでに亡くなっていますが、父親が今年80歳となります。
頑固でずうずうしく、あまりそりは合わない親子関係ですが、そんな父親でも最近は力なく、口を開けば死ぬ話をするようになりました。
あんまりいい話じゃないので、聞かないようにしていますし、もう今更こっちも独立して、数万の遺産を争う気もありません。
まだ独身の姉が実家で父と住んでいるので、財産は、全部引き取ってもらうつもりでいました。
ですが、父親としては、自分が死んだら保険が下りたり、ローンの終わったマンションなどもあるので、それらの引き継ぎを、意識があるうちにきっちりとやっておきたいようです。
このところ、家族同士で会う機会も減っており、父親も周りが死んだり、友達が元気なくなって減ってきているようです。話し相手が欲しいと言うこともあるのだと思います。
人生を賭けた、と言えば大げさですが、心配なく旅立ちの準備はしておきたい。という気持ちではあるようです。
目次
- 相続セミナーに出て知った、遺留分という制度について
- 相続セミナーでの学び
- 1.遺留分について知らないと、もめる可能性がある。
- 2.もめごとに巻き込まれる可能性も。他人事ではない
- 3.姉の彼氏という、ノーマークの関係者
- 4.兄弟はもちろん、その配偶者や恋人あたりが何を考えているのかは把握しておく
- まとめ 結局はコミュニケーションがすごく重要
目次
相続セミナーに出て知った、遺留分という制度について
この記事はおよそ 8分46秒で読めます。
そんな折、お世話になっている不動産会社の絡みで、系列の保険会社がやっている相続セミナーの話を頂きました。
狙いはもちろん相続税について知り、保険を売りたいのが目的ということでした。
相続についての初心者向けの説明から入るということなので、よく知っている業者でもあるし、売り込みはないだろうということで、かみさんとともに行ってみました。
そこでは相続税の基本的な話である基礎控除の計算の仕方(3000万円+遺族の人数×600万円)から説明があり、相続について何も知らなかった私たち夫婦にとっても、なかなか勉強になる情報を得ることができました。
ここで遺留分という言葉について改めて知りました。
詳しい方や、税理士事務所関係の方なら当たり前という言葉だと思います。宅建の勉強の時に、ちょっと出てきたような気もしますが、僕はもう忘れておりました。
この遺留分についてのことと、僕らの相続(正確には相続とは言えないかも知れませんが)について、すこし書いておきたいと思います
相続セミナーでの学び
実際、相続税的な観点から行きます。先ほどの基礎控除(相続する金額に税金がかかり始める金額)の計算式でいくと、うちは現在父親と姉と僕の3人の家族ですので、
3000万円+僕と姉の2名×600万円=3000万円+1200万円=4200万円までは、税金はかからないことになります。
父のもっている財産は、ざっくり築40年のマンションと、少しのの貯金です。まだ十分に確認していないので、細かいことは分かりませんが、あとは生命保険がいくらかおりると言っていました。
まず保険は税金がかからないので、大丈夫でしょう。
のこるは家と貯金ですが、これはあわせても1500万円~2000万円くらいです。(ほとんど家の価値です。)
つまり、どう背伸びしても、我が家の引き継ぎにおいては、相続税の対象にはならないということです。
税金はかからないとわかったので、じゃあ、うちは何も心配ないかな、とおもって聞いていたところに入ってきた話が遺留分です。ここについて、もう少し細かくお話ししていきます
1.遺留分について知らないと、もめる可能性がある。
遺留分とは、家族や、また遺産相続を受ける権利がある人なら、一定額をかならず相続できる権利です。
たとえば父親が他界した場合、遺言に「実は愛人がいたんで彼女に全額ゆずる」と書いてあっても、子供である僕らは、一定額を愛人に請求できる、というモノです。
遺言だろうが生前に約束したことだろうが請求できるということで、裁判になっても9割9分請求者に勝ち目があるそうです。
その割合は、遺産全体の評価額の2分の1です。つまり我が家の場合、父親の財産が2000万円だとすれば、もし姉と僕以外の誰かに遺産を全部あげたくても、新相続人1000万、姉と僕で500万ずつの配分となるということでした。
まぁ、こんな事態にはなりそうにありませんが、もっと別のことで心配があります。
2.もめごとに巻き込まれる可能性も。他人事ではない
もともと、僕自身はある程度生活が成り立っているので、父親の財産は、すべて姉に渡せばいいと思っていました。
ですが、姉には固定資産税やマンションの管理費を支払うほどの生活の余裕はありません。いまの生活ですら、カツカツなのです。また、亡くなった母親の思い出もあり、いまのマンションでの生活の継続は望むはずです。
父親も、娘である姉をかわいがっています。
想定される心配は、マンションの名義を、僕が引き継ぎ、実質は姉がここに住み続ける、というパターンです。
それで、固定資産税や管理費などは、名義人の僕と住民の姉とで半々に払い、しばらく家を守っていく、ということが考えられます。
3.姉の彼氏という、ノーマークの関係者
遺留分について何も知らないときは、それでも姉がつつがなく暮らせれば、別にいいかなと思っていました。ですが、姉には10年来結婚せずに付き合っている、不動産屋の彼氏がいます。
最悪なのは、この彼氏と我が家はほとんどコミュニケーションがないということです。不動産屋なら、遺留分についてはもちろん知っているでしょう。
もしこのパターンで相続してしまうと、僕に対して、彼氏から言われた姉が、僕に遺留分の請求権を出すことはできます。そうなると、家は姉が住んでいるので処分できずに、家の価値の半分のおよそ1000万円は、現金で支払わなければならなくなります。
これが最悪のシナリオです。すべての悪いケースがつながらない限り、このようにはなりませんが、知らずにこのような話を進めてしまったら、僕は現金1000万円を用意しなければなりません。
相続では、跡継ぎの兄弟同士は上手く話がついていても、その配偶者や3親等以内じゃない親類縁者などが入り込んで来るケースはあり得るでしょう。
それで結局揉めてしまうと言うことも多いんじゃないでしょうか。どこから横やりが入ってくるか、まったく分かりません。
4.兄弟はもちろん、その配偶者や恋人あたりが何を考えているのかは把握しておく
そもそも、相続の額全体も、まだどうなるか全容がつかめていません。
それに、姉が今後も実家に住み続けたいと思っているのか、姉の彼氏はどんな人なのか、などは大まかにでもつかんでおかないと、ゆくゆく面倒に巻き込まれそうです。
これは、早めにに家族全体で良好にコミュニケーションを取っておかないと、揉めてしまうと思いました。
姉には小さいけど綺麗な家に住んでもらうべく、処分してしまう。という手もあります。ですが、あくまで方法論であり、僕が決めることでもありません。
実家を守り続けるのか、土地もないので、売ってしまうか、家族として決めておかなければならないことがあると思いました。
いずれにしても父親、姉の意向を確認せずにこのまま過ごすのは、危険な感じがしました。
まとめ 結局はコミュニケーションがすごく重要
ここまでの話をまとめてみますと、
- 遺留分について知らないと、もめる可能性がある。
- もめごとに巻き込まれる可能性も。他人事ではない
- 姉の彼氏という、ノーマークの関係者
- 兄弟はもちろん、その配偶者や恋人あたりが何を考えているのかは把握しておく
ということになります。相続に関する揉め事は、お昼の番組でみのもんたあたりがワイドショー的によくやってましたよね。あれでよくコミュニケーションの大切さが語られていました。
子供の時は、なんでそんな話をするんだろう、と気にもとめていませんでしたが、大人になって、ようやく分かってきた感じがします。
早めに話し合ってコミュニケーションを高め、家族として良好な人間関係を保ちたいと思っています