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お正月気分もそろそろ終わりに近いころとなりますが、胃もたれなどでお困りではないですか?そもそも今年のお正月料理の「おせち」をどのように準備しましたか。
今回はおせち料理の意味も確認しつつ、昨今の食べ方についても考察してみました。日本人の伝統的な料理について、ぜひ一緒に考えてみましょう。
目次
おせち料理の代表的なウンチクについて
日本の懐石料理の代表的な流れである
「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」を含んでいるそうです。
また、お重を重ねるのは、まさに幸せを重ねるという縁起の良さを担いでいるとか。
けっこう見た目で幸せそうだってこじつけたり、韻を踏んだり、ダジャレ的に縁起を担ぐ食べ物が多いですよね。
例えば栗きんとんは、その見た目のとおり、黄金を運んでくるようにという願いが込められていたり、イワシの煮物である田作りには、昔よく肥料に使われたイワシを美味しく料理して食べる形で豊作を願ったり。
タコは「多幸」とも読めるので、縁起がいいとか、生酢漬けは紅白結びをイメージしてやはり縁起がいいと思われて盛り込まれる、などのいわれがあるようです。
ですがここでおせちについての蘊蓄を語っても、ウィキペディアやオイシックスさんにかなうはずもないので、僕はおせちと年末年始の食の常識の変化について話したいと思います
1.予約する
予約する人も、結構増えましたね。僕も会社員時代は、よく発注してました。3千円くらいから、奮発して3万円くらいのものまで、種類も様々です
一昔前に、おせち料理の予約が入りすぎた結果、ある専門店がとんでもないおせちを全国に配送した、なんて事件もありましたけど、あれももう忘れられてしまうくらい、いまはいいおせちを発注できるようになっています。
ふるさと納税なんかを絡めれば、値段の高いおせちでも、けっこう格安で買うこともできますし、ネットでの注文で、料亭のおせちなんかを取り寄せることもできるようになって、とても便利な世の中になりました。
共働きで忙しい家、年末ギリギリまで働いている家の方は、その分おせちを予約して、お正月はおいしいおせちで迎える、なんていうのも良いですね。現代らしいお正月の迎え方といえるかも知れません
2.作る
まだまだ根強く残るのが、おせちを作るという方法。手間のかかる方法ではありますが、好きなものだけをおせちに入れられる、好物を増やすことができる、安くおせちを準備できる、などと、メリットも抱負です。
うちでも、おととし、去年は作りました。子供も大きくなってきて、切ったり煮たりを手伝ってくれるようになりましたので、家族総出で作ったりしてました。今年のお正月は、自分で時間をかけてたくさん切った不揃いのきんぴらごぼうをつまみながら、お酒を飲みましたね。
年末に少し余裕があれば、買い付けに行く楽しみ、作る楽しみ、家族とコミュニケーションをとる楽しみと、年末ならではの光景をいろいろとたのしむことができます。
一昔前はお母さんが一人で作る、という家庭も多かったと思いますが、さすがにその風景は減ってきたようですね。でもかみさんの実家では、いまだにお母さんがせっせと作っているようです。それもまた年末年始の風物詩なんでしょうか。
3.食べない
けっこう今風かな、と思えるのは、おせちを食べない、という選択です。お雑煮を食べない若者も凄く増えているということなので、これはなかなかうなずけます。
なにもおせちにこだわらなくても、外食も結構やってますし、デパートも初日からデパ地下稼働させて、美味しいもの売ってますしね。正月からうなぎとか、焼き肉とかいってる人も結構いるみたいです。
おせち料理にはもともと包丁の神様を休ませる働きもありました。3が日はおせちを食べて、包丁をつかわない。それでまず年始に3日包丁を休ませ、一年間働き続ける包丁をねぎらうというスピリチュアルな意味合いもあったと言われます。
ですが、この現代では、年始こそ家族みんなで好きなものでも食べたいという気持ちにもなるでしょう。飽食の時代で、個性の時代ですから、蟹だの松坂牛だの、珍しい食材をこのときばかりと食べる家も少なくありません。
また、おせちを用意するお金も暇もない、という人や家もあるでしょう。おのおのの事情で用意できない、用意したくないという理由があり、おせちを食べないという選択肢が増えるのも、また現代的だなと思います
まとめ おせち料理への対応に現代の多様性を考える
といったわけで、おせち料理の内容はもちろんですが、日本人の向き合い方自体が多様化してきています。もう一度3点のおせち事情を振り返ってみます
1.予約する
いそがしい家であれば、簡単でおいしいおせちが頼める現代で、おても有効な方法です。ふるさと納税などをうまく使えば、格安で高級おせちを手に入れることもできます。
2.作る
安く済ませる、作るのが好き、家族みんなで作ってコミュニケーションしたい、というニーズがあれば、やはり作るのも根強い人気です。形や味に大きくこだわりがなければ、好きなものだけ量を多くしたり、好きな食材でかためることもできます
3.食べない
けっこう今風の対応かな、とおもえるのがこれです。用意できない人もいれば、用意したくない人もいて、全体で言えば、結構こういう人も増えてるんじゃないかなとおもいます。おせちにこだわらなくてもいい時代ですしね。
このようにみていくと、おせち料理という食べ物は昔からありますが、あまりその親しみ方には統一感はありません。ある意味伝統として残すべき文化でもありますが、時代にそぐわなければ、淘汰される部分もあります。
こういった伝統料理への捉え方ひとつをとっても、日本人の日本文化に対する多様化が進んできているように思います。お正月の捉え方も、どんどん個性的で多様化しています。
どこを守り、どこを淘汰し、どんな形に収まっていくのか、おせちを通じて今後の日本文化の変化を見守るのも、面白いかも知れませんね