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あなたは、財産と資産の違いについて、考えたことはありますか?
どちらも、お金が沢山ある状態でしょ!?とざっくりと説明はできると思います。
ですが、財産と資産にはちょっとした違いがあります。この言葉の意味がわかるだけでも、かなりお金持ちに近づけるというものです。
とくに資産の意味や内容について理解すると、お金は稼ぐや貯めるだけではなく、増えるのだということがわかります。
お金は、増えるのです。やり方さえ間違わなければ、あなたが寝ていても、遊んでいても、増えます。
その増やし方を理解するためにも、資産について知ることがとても重要なのです
目次
打ち出の小槌を見分ける3つのポイントについて
財産と資産には、ちょっとした違いがあります。財産は、いま現金化できる価値のあるものです。
現金、株、投資信託、債券などはもちろん、不動産、車なども含まれます。金、銀、プラチナ、宝石、などもそうですし、美術品、骨董品なども財産です。
いままで築き上げてきたお宝全てが、財産という考えに含まれます。
一方で資産は、もっているだけであなたの経済的な豊かさを維持向上するものです。
例えば配当を生み出す株、家賃を生み出す不動産はわかりやすいですね。
株や不動産はそのものの価値が上がる可能性があるほか、持っているだけで配当や家賃が入ってきます。
ちょっとした、打ち出の小槌のようなものです。必要な時、ふればお金が出てくるもの、また、何もしなくても常にお金を生み出してくれるもの、それが資産です。
今回は、投資における資産の見分け方、つくりかたのポイントを解説します。
偽物の資産をつかまされ、長期間にわたって育ててしまうことがないよう、参考になりましたら幸いです。
1.インカムゲインがある
資産は、持っていることでお金を生み出してあなたのポケットに入れてくれます。
例えば株の配当金、投資信託の分配金、不動産の家賃などがそれにあたります。田畑の収穫物などもそうです。
これがインカムゲインです。
インカムゲインは、資産が資産であるためのひとつの要素です。お金を表す「資」を産んでいるわけです。まさに持っていることでお金が産み出されるものです。
不動産を持つのはなかなか大金がいりますが、株や投資信託なら、100円から始められますので、わりと挑戦しやすいでしょう。
コツコツと買い貯めた結果、100万円分ほど株を買い込んだとしましょう。
株の配当金は、国内企業なら持っている株総額の2〜3%、海外なら2〜7、8%の金額を一般的にもらうことができます。
株を1000万円分もっていて、2%の配当となれば、20万円は配当が来る計算です。1カ月の初任給くらいの額が、これで出てしまうことになります。
一年のうち、1ヶ月分の給料は、配当金でもらえてしまうことになりますね。
2.キャピタルゲインもある
2-1.事例1 株式
資産、といえるものは、当然それを売ることもできます。理想的な資産は、配当のようなインカムゲインを出しつつ、買った時よりも高い価格で売れるものです。
株などがかなりわかりやすいと言えるでしょう。
配当金を得ながら、企業価値の向上とともに、株価が高騰すれば、売っても利益が出ます。
株はその点で成果の出具合がわかりやすい投資商品といえますね。配当がいくらたくさん出ても、売ったの金額が、買った時よりも大きく下がってしまったら、その投資はトータルで儲けが出ていないのです。
僕は高配当株や分配金が高めの毎月分配型の投資信託も大量に買い込んだことがあります。
ですが初期の頃は配当が高かった分、株価や投信の基準価額がどんどん下がってしまい、たいへん痛い目をみました。
一定の配当金を出しながら、価格そのものも上昇するような銘柄は、単に企業価値が高く、有名で経営が安定している、というだけをみていては、見つかりません。
業界そのものが伸びるトレンドに乗っているか、企業そのものに成長性があるか、など、企業や業界が右肩上がりをしているかをみながら資金を投下していきます。
業界のトレンドは、およそ10年から20年単位での入れ替わりですので、それほど難しくはありません。1960〜70年代は造船、石油業界、80〜90年代ごろは商社、金融業界、自動車などの産業が時代をリードしてきました
2000年以降はIT産業、製造メーカーの伸びが著しいですね。
企業そのものの成長性については、四季報などに見るポイントがありますが、このあたりは人によってちがってきます。
四季報の解釈の基礎については、また別の記事で紹介していきたいと思います。
このように、本当に資産と言えるものは、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を持ち合わせています。
2-2.事例2 不動産
不動産投資は新築でなく中古で行うのが王道ですが、これも、そういった理由からです。
新築は入居がつきやすく、家賃がすぐに入りますが、その分販売業者や建築業者へのマージン分が価格に乗っているため、すぐに下落します。
だいたい10年で価値は半減すると言われます。5000万円で買った家の価値は、2500万円くらいになってしまうということです。
家賃というインカムゲインこそ安定的ですが、売った時のキャピタルゲインがないのです。これをキャピタル・ロスといいます。
もし新築で入居も取れず、家賃が入らなかったら、目も当てられません。仮にサブリースをつけても、確実に元本は割れてしまいます。
こんな投資をするなら、銀行に貯金しておくほうがまだマシ、となるわけです。
中古は、販売時の業者マージンがなくなって、正味の物件価値に近くなりますから、ほぼ買ったときと売るときの価格が同じになります。
うまくリフォームすれば、家そのものの価値を上げることができます。さらに賃貸することができれば、家賃というインカムゲイン付きの資産になります。
借り手がついている家を売るときには、未来の家賃も上乗せした販売価格に設定できますので、キャピタルゲインも出ると言うわけです。
このように、不動産は、価値の落ちにくいものを選び、リフォームや入居付けで育てあげると、だまっていてもあなたのポケット二お金を入れてくれるようになります。
最初こそやや手がかかりますが、丁寧に育てることでだんだんとオトク感がましてくる資産となります。
お金持ちが王道として不動産投資を数多く手がけるのもうなずけます。
トレンドとなっている昨今の仮想通貨やハイレバ投資、FXなどに比べると、比較的確立している投資と言えるでしょう。
3.すぐに現金化できる
資産とはつまり、そのものに価値があり、持っていることでさらに利益が出るものです。
つまり、もてばお金持ちになることができる打ち出の小槌のようなもの、というわけです。
ですが、ものによっては、資金拘束と行って、投資期間中は現金化できない性質を持つものもあります。
たとえばidecoです。idecoは年金制度ですので、その意味ですでに投資商品ではありません。idecoを本当の意味で資産と呼ぶには、おそらく賛否両論となるでしょう。
idecoの仕組みそのものは、給与天引きによる抜群の貯蓄性があります。そして、そのお金を金融庁が選ぶ、歴史ある手堅い投資商品に資金投下しますので、一定の増加も期待できます。
選択肢は限られるものの、自分で投資商品を選ぶこともできますので、運用性もあります。長期投資としての楽しみもあるでしょう。
しかし、唯一とも言える弱点が資金拘束です。一度idecoをはじめたら、65歳になるまで引き出すことができません。
利回りのいい、超長期の定期預金のようなものです。
もしあなたの普段の資金がショートし、急にいくらかのお金が必要になっても、すぐに現金化することができません。
自分のお金なのに、65歳になるまでは使うことができない。30代、40代で急に入り用になったときには、ここからお金を使うことはできないのです。
このあたりでidecoの利用を躊躇する人もいます。idecoによる資産運用、年金対策はとても良い方法だとは思いますが、ideco一本足で資産構築するのはそうしたリスクがあります。
投下資金をidec一本に全力で突っ込網とするのであれば、貯蓄やNISA、その他の投資をからめた資産と組み合わせ、ポートフォリオの一つとして組み入れる方が良いかも知れません。
また、もっと気をつけたいことに、ポンジスキームのような詐欺案件の投資商品には、すぐに現金化できないものがたいへん多く含まれます。
あなたの資産は確実に増えています。といい、アプリや郵便物で資料を店ながら、いざ現金化しようとするとできない。そんなことも多いのです。
いざ現金化できない、となって、詐欺に案件をつかまされた、と気づくこともよくあるケースです。
最近流行のソーシャルレンディングや不動産系のクラウドファンディングなどの中には、まともな投資を謳い、結局は出資者からお金を巻き上げるだけの業者もいます。
はずかしながら、僕も不動産クラウドファンディングに投資し、投資資金が凍結してしまったと言う事例があります。
少額を投下し、一ヶ月後くらい運用したら、いったん現金化する。大丈夫だったら今度は少し増やして3ヶ月後、その後は半分をいれて1年後、それ以降問題無ければ全額、、などと、定期的に一部又は全額を現金化し、運営に根こそぎ資金を持っていかれていないことを確認しましょう。
内ち出の小槌を活かす、稼ぐ力
ここまでは、資産を見分けるためのポイントを3つの視点で紹介してきました。この3点が揃って、本当に資産と言えるものです。それ以外は財産か、最悪の場合は詐欺商品となります。
もし1点でもかけていれば、本当の意味での資産性はありません。ご自身にとって有用な財産かどうか、注意深く見極めていただければと思います。
僕も騙されたことは多々あります。騙されないよう、何かの参考になれば幸いです。
投資をする以上、リスクはつきものですが、できるかぎり論理的にリスクを理解し、立てられる範囲で対策したいものです。
でなければ、勝てる投資方法とはいえません。
そういう意味で、株や債権、不動産、投資信託といった、だれでもが知っている地味な方法だけが、勝ち残れる方法として残り続けているのだと思います。
ソーシャルレンディング、ハイレバ投資、新築ワンルーム投資などが手法として生き残るかどうかは、未知数なところがおおいといえるでしょう。
利回りも、30%や50%などとうそぶくものではなく、5~7%くらいの地味な数字の方が、勝つ確率も高く、再現性が高いといえます。
とはいえ、利回りや方法が地味でも、大きく活方法はあります。それは、投下資金を大きくすることです。
5%の利回りの商品に100万円を投下しても、単純計算で年5万円の利益です。これでは小遣い程度にしかなりませんが、1億円投資すれば、500万円の利益になります。こうなれば、人一人が1年間暮らせるレベルになります。
そのお金がないから投資するんでしょうが!といわれるかも知れませんが、理屈は逆です。富裕層はたっぷりの資金を、手堅く再現性のある投資に投下して、がっちりと利益を得ています。
いっぽうで、一般層は少ない資金を利回りの高い商品に投下します。それはリスクの高い商品に投下しているにずぎず、結果として元本すら失ってしまうのです。
資本主義ですので、世の中の仕組みは、資本のある人に有利にできています。しかし、富裕層になるのであれば、富裕層の投資をするしかありません。
となると、一般人から富裕層になるには、手堅い商品に、比較的多めの資金を長期で投下するのが良いということになります。このためには、稼ぐ力が必須となります。
投資一本、増やす力一本では戦えないことを理解し、副業や転職、スキルアップでもともとの投下資金を増やしていく。これが結局豊かになる手堅い近道といえそうです。
ちょっと堅い話に聞こえるかも知れませんが、副業や転職は新しい業界や経済トレンドを知るきっかけになります。スキルアップは個人の学習能力も底上げします。これは投資にもプラスにはたらく貴重な財産です。
まずは地味でも手堅い打ち出の小槌を見つけること。そこにたっぷりと資金投下すること。投下する資金量を増やすために、稼ぐ力もつけていくことがおすすめです。
まとめ 目新しい投資よりも、手堅い投資に投下資金を増やす
ここまでの話をまとめると
1、インカムゲインがある
資産には、配当や家賃など、黙っていてもはってくる利益があります
2、キャピタルゲインがある
資産は、当然それを売ることができます。育て方次第では買ったときよりも売ったときの方が高くなります。
3、現金化できる
資産は、多くの場合現金化できます。不動産ですら、販売にはすこし時間はかかるものの、半年くらいで現金化できます。現金化できないことで、詐欺商品だと気づくことがありますので、注意が必要です。
内ち出の小槌を活かす、稼ぐ力
資産を見分けることができても、豊かには慣れません。手堅い資産にたっぷりと資金投下するために、稼ぐ力を磨きましょう
となります。
手っ取り早く、2,3年で効率よく投資で稼いでFIREして抜けだそう。投資にはそんな夢を持たせる側面もあります
ですが経験上、そのような方法が成功するのはほんの一握りか、いないと言ってもいいくらい少ない成功例です。
こうした事例は当然ながら再現性に乏しく、方法として確立することができません。ですので多くの人にお勧めすることもできません。
投資はある意味ビジネスでもあります。人間がやるビジネスである以上、失敗もつきものです。とはいえ長く付き合うことで、コツをつかむことも、失敗を減らすこともできるようになります。
おそらく、そうした失敗の山の上に、損をしない手堅さを身につける。こんな経験則が意外にも投資で勝ち続けるようになる近道なのかも知れません
世界一の投資家、ウォーレンバフェットの投資格言に
ルール1 損をしないこと
ルール2 ルール1を忘れないこと
と言うのがあります。
てっとり早く勝ちにいくことではなく、負けない実績を積み上げる。一見地味ですが、この遠回りに見える手法こそが、大きな豊かさに繋がるのだと思っています。