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積立NISAという言葉を聞いたことはありますか?何の制度なのか、何のためにやるものなのか、何がオトクなのか、なかなか簡単に説明するのは難しいですね。
結論から言うと、税金をかけずに投資を行うための制度です。株式投資は、利益に対して20%の税金が掛かることになっていますが、この制度をつかうとその税金がかかりません
もし、投資収益100万あげても、通常は20万円税金となってしまうとおもったら、結構な額ですよね。これではいくら頑張って投資しても、なかなか資産は増えません。
今回は、投資における基礎、積立NISAについて、オトクな仕組みを紹介します。
あなたの投資をより効率よく成功させるために、積立NISAをうまく使って、より早く資産を積み上げましょう。
積立NISAは投資の詰め合わせパック
金融庁のホームページによると、NISAとは、Nippon Individual Savings Account の略です。日本語では日本版個人貯蓄口座、というのが直訳になります。少額投資非課税制度などとも言われています。
イギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルとした日本版となるそうです。個人が貯蓄を有利に進めやすくするための口座。とざっくり理解しておけばよいと思います。
一定の金額の範囲内であれば、この口座から投資したもののうち、利益を全て非課税にする、というものです。
一般NISAなら120万を5年間、積立NISAなら40万が20年間非課税で使える口座となっています。
この口座では、投資対象となっている商品が数十種類決まっているのですが、そのなかから自分の投資先を選び、投資していくことになります。
数十種類は世間に豊富にある投資先からすると少なく見えますが、どれも金融庁が自信を持っておススメする、政府お墨付きの投資先です。
例えば日本には現在6000本近い投資信託が存在しますが、その9割がぼったくりやクソ商品と言われる商品です。
なんと元金融庁長官の森信親氏が「つみたてNISAの対象となり得るのは、約5,400本ある投資信託の1%以下」と講演会でコメントしているくらいです。
ほとんどの投資信託が高い手数料や低い運用益などのぼったくり商品が多いなか、金融庁はNISA口座にいれられる、いわゆる政府お墨付き銘柄のみを対象商品としています
つまり、NISAであれば、爆益とは言わずとも、信頼できる投資をいくつかあわせた詰め合わせパックを作ることができるのです。負けない投資の幕内弁当。これがNISAというわけです。
また、積立にすることで、少額から資産形成できます。また、少額とはいえ最高で月33,333円を毎月積むことができます。
投資を始めたばかりの一般人、貯金がてら長期投資に挑戦する一般人など、これから資産形成に向かう方々なら、ちょうどよい額ではないかと思います。
国としても、かつてのように銀行預金で年7%の利息が出なくなった分を、資産運用で増やして欲しいのです。
投資は銀行預金よりはリスクが高くなりますが、こと積立NISAについては、国ができるかぎり手堅い投資商品を用意して、ここお金を積むことでかつての銀行預金のように国民にお金をもってもらおうとしている、というわけです。
貯金から投資へ。と政府自らスローガンを掲げる分、リスクをできるだけ小さくできるよう、国としてもできるだけのサポートをしているといえます。
今回はNISAでもさらに少額の長期運用に向いている、積立NISAのメリットを紹介します
1.節税効果がある
なんといってもNISAの1番大きなメリットは節税効果です。
NISA口座であれば、いくら資産を積み上げても無税。積立NISAは年間40万円まで、20年間無税となります。
僕は10年前から毎月3万ほど貯金がわりに投資信託に入金しているのですが、この積立NISAの制度ができた2018年から早速使い始めました。
ふつうに株式や投資信託を買っている限りは、配当がでても、価格が上昇しても、結局利益の20%は税金で引かれてしまいます。
例えば、s&p500で5%の配当利回りを獲得しても、結局正味では4%の利益しか受けられないのです。
(s&p500が何かわからない場合については、過去記事のコチラをどうぞ)
これは、利益が5,000円程度なら、税金が引かれて4,000円ですので、大した話ではありません。しかし50万円だったらどうでしょうか。正味40万円になってしまうというのは、10万円を損することとおなじです。
投資の世界では、ただでさえ支出がコントロールできないものばかりです。未来の暴落がいつくるのかなど、到底想像することはできません。
ですが、税金と手数料はコントロールできる支出です。ルールを知ってるだけで抑えることができます。こうした支出は的確におさえなけれぼ、複利も効きにくくなりますので、当然お金は増えません。
以前紹介した、s&p500やオルカンといった商品は、金融庁お墨付きの投資先としてNISA口座にも含むことができる優良商品です。
証券会社の口座からふつうにこうした商品を購入していくのであれば、NISA口座から購入するのが良いでしょう。
2.積立式でドルコスト平均法が使える
積立NISAは、その名の通り積立式の貯蓄用口座です。
一括よりも積立の方が、時間を分散して購入することができる分、より分散が効いた動作を行うことができます。
卵を一つのカゴにいれるな、というセオリーに従えば、まずは大原則にのっとったカタチで投資を楽しむことができる手法と言えるでしょう。
積立式はなにより、いつも一定額を一定期間ごとに休みなく購入し続ける、というドルコスト平均法を取ることになります。
こうすると、価格が高い時には少なめに、安い時には多めに購入することになりますので、自然と市場価格の平均値に近づくことになります。
プロでさえ、株式の底値を見抜くことはできませんので、素人の初心者が負けない投資をしようとするなら、ドルコスト平均法は比較的無難な手法になるのではないかと思います。
投資ですので、買って爆益と行きたいところですが、なによりも負けないことが大事です。
いや、もっと極端にいえば、負けてもいいので生き残らなければなりません。
生き残る投資が、最終的に勝ちを呼び込みますので、まずは負けない投資法をしっかり身につけてしまうことをおススメします。
3.貯金や保険よりも高い利息が見込める
節税とドルコスト平均法、そして金融庁おススメよ商品ラインナップを揃えた積立NISAには、もう一つメリットがあります。
それは、利回りです。積立NISAの対象に挙げられる対象商品は、利回り4〜5%という、投資としては最適解ともいわれる利回りを無難に回す商品が用意されています。
もちろん、投資にリスクはつきものです。100%安全な商品などはありませんが、少なくともここ20年や30年で、平均の利回りが5%で回っている投信や、2%程度で回っている債権など、実績のある銘柄が厳選されています。
無難さとそれなりの利回りで運用できる、優良商品ばかりです。
この積立NISAの口座から、これという銘柄をえらび、毎年40万ずつを積み上げていきます。
貯金はもちろんほぼ利息はつきません。利回りが良いといわれる保険などでも、年利回りは1%程度です。しかも手数料は高く、運用先はこれまた手数料だけが高いぼったくり投資信託です。
保険屋や銀行に預けて任せた結果、20年後の資金がほとんどふえなかったとしたら、どうでしょうか。もう20年は取り戻すことができません。しかも、保険は元本割れするものも少なくありません。
20年間という時間は、大変長い時間です。しかもその長い時間は複利効果で巨大な利益を生み出します。
ただ貯金するよりも、元本が割れるがしれない保険で貯めるよりも、積立NISA口座で適切な投資商品を押さえ続けるほうが、20年後は明るいといえます。
ちなみに、s&p500のここ10年間は年利回り10%で回り続けました。積立NISAで運用していたら、この利益を無税で受けられることになります。
いいことばかりを言うつもりはありませんが、しっかりとリスクを見積もっていれば、このような嬉しい誤算があります。これも積立NISAの一つの魅力です。
まとめ 投資の第一歩はここから
ここまでの話をまとめますと、積立NISAには
- 節税効果がある
- 積立式でドルコスト平均法が使える
- 貯金や保険よりも高い利息が見込める
といったメリットがあります。
投資をすでに始めてる人にとっては、当たり前の話となりました。
ですが、積立NISAを理解することは、まさに投資の第一歩です。何も知らない、これから始める、という人であれば、登竜門的な話としておさえていただきましたら幸いです。
積立NISAをやらなければいけないと言っているわけではありません。積立NISAを入り口に投資を始めるもよし、知っていてあえて使わずともよしです。
まずは積立NISAがどういうものか、おおまかにわかっていて、その上で利用の有無を選択していることが肝心です。これだけでやみくもに投資している人とはひと味もふた味も違う投資家と言えるかと思います。
投資家がお金を増やしていくために、特別な情報は必要ありません。
一般によく知られている、ありふれた情報でよいので、たくさんの情報を知り、自分にとって有利な情報を組み合わせる。ここが重要なのではないかと思います。
あなたにとってのありふれた情報を、ありふれたスタイルで組み合わせる。こうした地味な方法でも、収益を出すことはできます。むしろ爆益を狙うより、よっぽど手堅いといえます。
危険な爆益狙いの投資や、一発逆転狙いの投機は、命知らずやプロ中のプロ達にまかせ、地味に利益を積み重ねる。こんな投資でも、生き残って勝ち上がれば、立派な投資家と言えるのではないでしょうか。