揺れるアメリカ。大統領選と為替の行方について考える

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アメリカ経済に最も影響力のある情報である、大統領選の動きが活発になってきました。

トランプ前大統領選が再選を目指すなか、演説中に銃撃を受けたのは記憶に新しいですね。銃弾は耳をかすめたものの、一命を取り留めました。とりあえずひと安心です。

一方で民主党のバイデン大統領は、もうすぐ任期の4年を終えます。しかし次期大統領候補として民主党代表での立候補を断念しました。バイデン氏に代わっては、副大統領のカマラ・ハリス氏が立候補の意思を固めています。

今回は、大統領選の行方を占いながら、この選挙の為替への影響についてもお話ししてみたいと思います。

statue of liberty new york
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アメリカ大統領選と為替相場について

さてアメリカ大統領選は、投資家にとって4年に一度の大イベントです。全世界の政治はもちろん、経済にも大きな影響を与えます。株、ファンド、ETF、不動産、金など、ありとあらゆる相場の方向性が大きく変わるのも、このタイミングです。

為替にも当然影響します。為替は通貨取引ですので、買いがメインの株やファンドと違い、売りでも買いでもエントリーが可能です。

またレバレッジも数十倍〜千倍程度までかけることができます。(日本口座は25倍までたが、海外口座は1000倍などもあります)したがって政局のちょっとした雰囲気によっても大きく上下します。

民主党と共和党は、多くの政策で真逆ともいえる方向性をとります。例えばバイデン氏は円安ドル高には歯止めをかけてきませんでした。一方でトランプ氏は米国の貿易に不利になるとして、円安是正を訴えています。

つまり、どちらの政党が政権を取るかが決まっただけで為替は数円上下してしまうのです。また、どちらかの政権に決まるという噂が強く出るだけでも数円動きます。

雇用統計やCPIで、1日に1円動けば大ニュースになるのが為替です。大統領選の結果次第では、1日や1週間で数円単位、また1ヶ月なら10円近く上下する可能性すらあります。

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為替にも注目してみよう

たった1円?たった10円?と思うかもしれませんが、為替は通常1万通貨や10万通貨を1単位として扱います。仮にレバレッジ10倍で1万通貨としても、為替で1円動けば1万円です。

10万通貨で10円動いたら、それだけでなんと100万円の利益です。

為替の動きは、株価にも大きく影響します。為替におおきな変動があれば、以前紹介したsp500やオールカントリーなどの価格にも影響が出るでしょう。

今回お示しする予測は、あくまで現状における情報をまとめた上でのものになります。予測は予測として、軽く受け止めていただきましたら幸いです。

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①トランプ政権発足なら

トランプ氏が大統領になると、アメリカはどうなるのでしょうか。共和党のおもな政策やトランプ氏の推進力から予想してみましょう。

まず、アメリカで今もっとも大きな問題となっている移民問題です。トランプ氏は移民受け入れを厳しくする可能性が高いと見られています。

また、エネルギー政策は、掘って掘って掘りまくれ!と言われるとおり、原油などの輸入を制限し、自国の油田を再開発することを宣言しています。現在バイデン政権はクリーンエネルギーを推進しているため、かなりの油田開発が止まっています。原油のみならず、石炭やシェールガスなどの開発も進むとみられています。

アメリカの中央銀行であるFRBとの関係は、金利引き下げ方向に指導すると思われます。現在でもアメリカの金利は引き下げが予定されています。7月は据え置かれましたが、9月はいよいよ引き下げるとも言われています。トランプ政権は自国の資源や技術を高く売りたい考えのため、金利を下げて円高ドル安に持っていく方針です。

トランプ氏は日米為替について、現状は円安が行き過ぎていると指摘。大統領選までに金利を引き下げないよう、FRBのパウエル議長を牽制しているという一部報道もあります。

それだけトランプ氏は自分の政権でドル安に持っていきたいということです。


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②ハリス政権発足なら

では逆にハリス氏が大統領になれば、どうなるのでしょうか。基本的にトランプ政権と真逆、現状のバイデン政権の副大統領を務めているだけに、現状と同じような状況が続くと思われます。

ただし、民主党政権になったころから、コロナショックの影響もあってインフレが止まらない状況が続いています。このような中移民も止めていないため、人口が溢れかえっています。

アメリカ経済は、強いGAFAにマイクロソフトやエヌビディアなども台頭しています。これら大企業の驚異的な経済発展があるため、雇用も有り、なんとかインフレに耐えています。ですが、こういった企業の発展にすこしでも陰りが出ると、失業者が異常に増えるため、危険な状態です。

偶然かどうか分かりませんが、民主党政権時は世界各地で戦争も増えました。いまだにウクライナは終結しませんし、イスラエルあたりもかなり抗争が激化しています。台湾有事も依然としてきな臭さが残り、日本も他人事ではなくなってきました。

世界の警察と自称していたアメリカの、各国への抑止力が弱まるなかで、地政学的なリスクも高まっています。世界の経済不況にも少なからず影響するでしょう。

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③結局為替は円高円安どちらに動くのか

現状の大統領選予想は、トランプ氏が一歩リード。バイデン氏撤退でハリス氏が猛追しています。民主党は各候補が立候補を撤退しハリス氏支援にまわっているという状況です。

一部の民主党の岩盤支持層がいる州では、ハリス氏の人気がトランプ氏を上回っているところも出てきています。しかし大統領選は11月です。のこり4ヶ月では時間が少なすぎるようにも思えます。

このような中、為替や経済はどうなっていくのでしょうか。私の予想はもしトラが成立し、トランプ氏が大統領に返り咲くのではないかと考えています。

そうなった場合の今後の予想ですが、あくまで現状の情報をふまえた個人的な予想と思って読んでいただければと思います。

先ほども少し触れましたが、クリーンエネルギーは見直し。米国は石油の輸入をやめ原油価格は下がる方向へ行くと思います。

さらにFRBは金利引き下げ。これはトランプ氏が指示・推進するからだけではなく、現状のアメリカのインフレが限界を迎えるためと思います。8月の雇用統計はついに大幅に予想を割れました。失業者もかなり増えています。

*雇用統計やFRBについての説明はこちらをどうぞ

大統領選挙を待たずに9月に1回目の利下げがあり、さらに年内にはもう一回くらい利下げがあるのではないかと思っています。

また株ですが、国内企業(とくにITとエネルギー分野)を優遇し、国内需要を活性化。米国株価は上昇するとみています。

そして為替は円高ドル安方向へ。というのがあくまで私の個人的なシナリオです。

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考察 円高となっても日本経済は弱いまま


トランプ政権の政策推進力が高いのは言うまでもありません。

したがって、もしトラ成立となれば、基本的には共和党の方向性に近いアメリカが形作られることになるでしょう。円高になる可能性も、高まってきます。

しかしその結果もたらされる円高は、米国経済の都合上の影響に過ぎません。仮に円高となっても、強い日本経済の復活ではないことは明らかです。また、今後日本経済に力強さが出てくるかどうかも、関係ない話です。

むしろトランプ政権となれば、米軍の台湾有事対策は薄まる可能性も高いです。そうなれば、日本は本格的に国防面での課題が露呈してしまいます。

国防面での問題は、憲法問題も絡んでくることになります。軍事や外交、経済など様々な面でも日本人の根本が試されることになるでしょう。

戦後以来、日本が中途半端にしてきた問題が様々な形で表面化する恐れもあります。そうなると、経済どころではなくなってしまうかもしれません。

今後日本経済がよみがえるかどうかは、まさに日本政府や日本人次第というところです。しばらくの間、円高やドル安で日本経済の強さを測るのは、早計ということになりそうです。

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まとめ

今回の話をまとめると
・トランプ政権なら円高
・ハリス政権なら円安
・大統領選はトランプ勝利で円高となるシナリオ
・トランプ政権発足なら円高になっても日本は問題山積。経済は弱いままが続く

といったことになります。

話がやや大きくなりました。ですが混迷を続ける世界のことや、日本の立ち位置を少し覗き見るだけでも、なにか投資の役に立つのではないかと思います。

また、近年は投資初心者といえば株からというイメージです。ですが、為替という切り口には世界経済がダイレクトに影響する面白さもあります。

今回は株や不動産ではなく、ご自身に合う手法選びのためにも、大統領選のニュースに併せて為替にも焦点を当ててみました。

投資は手法によって特徴に違いがあります。ぜひ一度為替取引(FX)もお試しいただき、ご自身に適した手法をお選びください。

本ブログでは今後も投資初心者向けに、あくまでも投資家目線で様々な私見をお話ししていきます。あなたの投資の方向性に、少しでも役立ちましたら幸いです。

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