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あなたは、確定申告を自分でやっていますか?
もし、事業を大きくさせていく気があるのなら、士業の先生とはお付き合いすることをおすすめします。
これは、単に自分が楽するためだけではありません。自分だけで税金や保険をやりくりしていくのは、学習や習得のスピードにかなり遅れが出てしまうからです。
とくに、事業となればそれなりに何人かの専門の士業の方は、知り合いに持っていた方がいいかもしれません。
今回は税理士の方を中心に、士業の方との付き合い方について僕なりの考え方を検討してみました。
目次
士業との付き合い方(税理士編)。組むべき相手の選び方3点
僕も事業家のはしくれとして、士業の方とは何人か関わりを持ってきました。
税理士、行政書士、社労士、宅建士、弁護士、司法書士、などなど、種類だけでもいろいろな人がいます。
この中でさらに、級や種別、得意分野などもありますので、いつのまにかバラエティに富んだ知り合い関係となっていきます。
なかでも、お金を稼ぐとなれば、とくに日本では税理士さんとは一緒に仕事をする価値があると思います。
また、成り行き上、税理士さんだけは一緒に仕事することになった。なんて方も少なくないのではないでしょうか?
今回は、数ある士業との付き合いの中でも、事業家なら一番最初に付き合うと言ってもいい税理士について、理想的な付き合い方を検討してみました。
あまり偉そうなことは言えませんが、まだ起業して間もない方、これから起業したいという方、または確定申告を自分でやるかどうか、などを迷っている方へむけて、何か参考になればと思います。
士業の助けは登山家にとってのガイドのような重要な位置づけ
オリンピックで金メダルを取るようなスポーツ選手にも、優秀なコーチがついています。
また、サッカーや野球のような団体競技では、チーム力をあげるために監督の指導力は欠かせません。
エベレストに登る登山家にも、山岳ガイドとして現地の優秀なシェルパがつきます。一人で全てやっているようで、そうではないというところでしょうか。
いまの生活が安定する程度の副業でいい。これ以上の副収入は望まない。などということなら、ガイドやコーチは必要ないでしょう。
しかし、もう少し収入を上げたい、そのために新しいこともしていきたい、ということならば、ちょっと話は違います。
あなたと長く一緒に戦ってくれるチームメイトとして、士業の方、とくに税理士さんとともに仕事をしてみてはいかがでしょうか。
とはいえ、税理士さんなど知り合いにいない、どんな人と組んだらよいか分からない、騙されるのではないか、といった不安もあることと思います。
そこで、今回はとっかかりとして、どんな人を選んでパートナーシップを組んだらよいかについて、3つのポイントに絞って説明します。
今回の記事を参考にぜひ、世間の荒波を長く一緒に戦える、心強い税理士さんを選んでください。
1.まずはセオリーを教えてくれる
当たり前ではありますが、まずはセオリーきちんと教えてくれる人です。
税理士の先生だから、税金のことは全部任せちゃおう。ついでにうまいこと節税してもらって、場合によってはアグレッシブな裏技も使ってもらおうかな、、
という気持ちは、こちら側の心構えとしてまずアウトです。こうした下心で税理士と組むと、逆にこっちが騙されたりします。
税理士は税金の取扱いのプロです。そのため必然的に会計、簿記、税関係の法律にも深く通じています。
こちらとしては、一定のルールは自分で学びつつ、自分の理解度について確認したり、法律や税関係の常識と自分の認識のズレなどを調整する。
そのためにアドバイザーとなってもらう関係がベストです。
逆に過剰に節税の裏知識や、法律のグレーな部分をアグレッシブに攻める方法などを教えてきたり、あなたの経営の会計部分を乗っ取るかのように意見してくる場合は要注意です。
税務署の一般的な見解、税法に照らした場合の考え方、申告時のありがちな問題点、現代的な会計の感覚など、こうした質問に答えてくれる税理士さんを選びましょう。
まさに教科書的な理解では得られない、現場に即したセオリーを教えてくれるような税理士さんであれば、あなた自身も税金について実践的な知識を高めることができ、経営者として成長することができるでしょう。
確定申告を丸投げできる、またはついでに節税してもらう、と考えるのではなく、自分の専門的ではない部分を助けてもらいつつ、相手の専門である税知識を分けてもらうと考えることです。
事業に欠かせない税金との向き合い方が変わり、より経営スキルが磨かれることでしょう。
2.あなたの成長を支えてくれる
税理士というのは、あなたの経営の成功という途方もなく高い山に一緒に登ってくれる、いわばシェルパです。
彼らは経営そのものについて関わることはできませんが、どんなお金の使い方が経営を悪化させているかはすぐにわかります。
敬遠戦略を立てることも、マーケティングも、営業も守備範囲ではありません。
あなたの会社や事業が潰れないための資金繰りについて、ポイントを示してくれるという役割です。
あなたの会社の会計をみて、どの部分に偏りがあるのか、どの部分が改善できるのかを示すことができます。
とはいえ、経営そのもののことは、わからないのが実際です。ですので、経営方針には口を出さず、あなたがお金のことで事業を潰すような判断をしないためのサポートをしているのです。
したがって、あなたの事業のやり方をどうこうしようとする税理士、または自分の会社であるかのように会計を操作する税理士とは、組むべきではないでしょう。
あくまで会計的な観点から、収支に関しての話をしてくれる方が大切だと思います。
そこをヒントにして、経営者が自ら気づきを得て方針を変化させる。このサイクルこそが、伸びる事業には必要です。
まさに、税理士と経営者のキャッチボールが経営改善に結びついていることが大切です。
3.結論はこちらに出させてくれる
税理士の先生といっても、全てをお任せするわけにはいきません。また、全てをお任せするのでは、もはやあなたの経営でもなくなってしまいます。
基本的には、士業の方の意見はアドバイスにすぎません。どんなに経験のある見地からの意見でも、必ず正しいとは限らないのです。
ですので、あくまで結論や決定権については、あなたが持たなくてはなりません。その決定権をきちんと持たせてくれる、そんないい距離感のある税理士さんとパートナーシップを組むのが理想的です。
わりとありがちなのは、相手が経験豊富だから、信頼できる人に紹介されたから、ということで、かなり歳上の税理士さんと組んでしまい、自分の結論を出しづらくしてしまう経営者もいます。
また、歳上ではなくても、有名すぎる税理士さんと組んでしまい、全部の意見を鵜呑みにしてしまう関係もよくありません。
こういう関係となると、結論はもちろん、意見交換すらもあなたらしさを出すことができません。
判断が鈍り、事業がうまくいかなくなるばかりか、相手のせいにするばかりで改善点も見えなくなってしまいます。
絶対ではないですが、わりと歳の近い人がアドバイザーの方が、意見交換のしやすさ、結論の出しやすさはあると思います。
ともに成長しながら、年齢や経験を重ねて、お互いに事業と税務という仕事の質を高め合って行くような関係が良いでしょう。
長期的には、その方が事業として強くなって行くに違いありません。
ですので、最初数年からその後になって、パートナーとなる税理士さんが変わることもあると思います。むしろそれで良いのです。
単純に長いパートナーシップがよいというわけではありません。お互いの成長を見ながら、強固なビジネスを積み上げて行くことが大切ですので、そこには時間がかかるというだけです。
意見交換がしやすい、互いに成長できる相手とパートナーシップを組み、あなたの決定権を充実させていきましょう。
まとめ 適切なチーム作りがあなたの事業を育てる
ここまでの話をまとめてみますと、どんな税理士と付き合うべきかについては
1.まずはセオリーを教えてくれる
2.あなたの成長を支えてくれる
3.結論はこちらに出させてくれる
ということになります。
これはもちろん、付き合う前には分からないことも多いです。
しかし、事業は数年、数十年と営むもの。となれば、あなた自身の変化や成長と合わせて、ときには相手も変えなければなりません。
ですから、最初の第一印象だけでなく、長く付き合う中での理想的な関係を把握しておき、上記のようなポイントに沿ってともに成長してくれる相手を選ぶことが大切です。
または成長の具合に合わせて相手を変えて行くことも必要ということです。
これは、まるでサッカーの監督がチームのレギュラーメンバーを入れ替えて行くかのように、あなたの事業が勝てる事業になるために、チームメンバーをメンテナンスして行くということです。
いわば経営者は事業の指揮者であり、監督ということです。
チームメンバーは常に同じ会社の人の中にいるわけではおりません。あなたの味方となって付き合ってくれる人は、すべてチームのメンバーです。
そういう意味では、事業を始めるにあたり、最初に付き合うチームメンバーはお金の扱いに長けているプロ、税理士となることは多いと思います。
と同時に、あまり面識がなかった領域の人でもあることでしょう。家族に税理士さんでもいない限り、一般のサラリーマンあたりが税理士の方と仕事する機会など、そうそうないわけですから。
気軽な意見交換をベースに、あなた自身に力をつけてくれて、あなたの事業も大きくしてくれる。そんなパートナーシップを組める税理士さんを、あなたの事業チームに加えていきましょう。
漫画ワンピースでも、主人公ルフィは海賊として冒険しながら、1人、また1人と仲間を増やしていますよね。
剣士のゾロ、料理人のサンジ、航海士のナミ、医者のチョッパーなど、個性豊かなメンバーが船長を支え、徐々に大きな麦わら海賊団に成長しています。
こんな風に、あなたの事業という船に、誰を乗せて行くのか?これを楽しみながら力強くチームを作り上げて行くのも、事業の醍醐味といえます。
投資や事業では、全てを一人でやっているようでも、場面に応じてプロ達の助けを得ながら進めていくこともあります。
現代はとくに常に会社で顔を突き合わせるのではありません。
半年に一度などの実に少ない打ち合わせや、zoomやLINE、チャットやメールなどのようなネットを使ってのゆるい繋がりでも、こうした仲間の助けを得ることができます。
ぜひあなたのチームにも、心強いプロをパートナーに迎えてはいかがでしょうか?
あなたのアイデアを楽しく、また力強く増幅してくれる仲間と達成していく事業拡大は、金額の多寡とは一味違う豊かさを与えてくれるに違いありません。