この記事はおよそ 12分9秒で読めます。
投資詐欺での代表格としても有名な仕組みに、ポンジスキームという手法があります。
100年以上前から使われている、詐欺業界でも伝統的!?ともいえる手法です。
そんな古くさい手法にいつまで騙されてるんだ?と思うかもしれません。
ですが、手を変え品を変え、いまだにおおくの人が騙される詐欺手法の根幹には、だいたいポンジスキームがあるとも言われています。
今回はそのやり方を簡単に説明します。また、騙されないための方法を3つご紹介します。
巧妙な詐欺の手法は、いつあなたのところにやってくるか分かりません。ですので今回の記事を参考に、ぜひ用心されますようご注意ください。
目次
詐欺の大原則。簡単に見破れないポンジスキームとは?
それではポンジスキームについて説明します。
まず詐欺師Aは画期的な投資商品があることをPRし、出資者を募ります。この時に比較的高い配当を謳っておきます。
高い配当に釣られ、出資者がお金を投資します。すると、ある一定の期間は約束どおり高めの配当が出資者の元に与えられます。
安定して配られる高めの配当金に、少額を投じていた投資家も、やがてはより多くの配当を期待して、さらに多くの資金を投下するようになります。
安定した高配当は、やがて噂になり、より多くの投資家から投資されます。
人気が高まりかけた頃、全額を引き出して勝ち逃げしようと、初期の投資家が利益確定に入ろうとするあたりで、お金が引き出せなくなります。
実は高配当は、事業に投じて得られた儲けではなく、投資されたお金の一部を配当金として返していただけ。
集まったお金の大部分は詐欺師が使ってしまうか、ドロンと持ち逃げしてしまう、というわけです。 発案者はチャールズ・ポンジという詐欺師で、この詐欺師の名前が由来となっています
これは、仕組みがそもそもリターンを産んでいない、典型的な詐欺のパターンです。いったんは配当が返ってくる上に、騙されたことがわかるのが、大分あとなので、とても見破りにくいのが難点です。
早く出資者を集めるために、比較的高配当に設定されていることが多いですが、相場並みのうまいラインに収められていることもあります。
このため、100年以上たったいまでも、多くの人がまとめて騙されてしまう、というわけです。
このポンジスキームに騙されないようにするには、どうするべきなのでしょうか。
1.相場を知り、相場から大きく外れる儲け話には乗らない
まずは入口に入らないための方法です。ポンジスキームは、その全てではありませんが、比較的早く出資者を募って急拡大を狙う傾向があります。
あまりにゆっくりやっていると、その前に勝ち逃げを狙う出資者が、資金を全額引き上げにかかるからです。
運用していないわけですから、当然お金は返せないわけです。ですので、早くお金を集めて逃げてしまう必要があります。
そのため、高配当を謳う傾向にあります。
・この方法で、実は月利7%!
・年利20%の投資方法をこっそりあなたに!
・利回り40%、爆益の不動産投資!
など、一般的な投資とはかけ離れた利益を謳う投資は、どんなに理屈上よさそうに見えても、見送るのが良いと思います。
投資の神様ウォーレンバフェットでも年22%、絶好調の全米500社の指数であるs&p500の年利回りで年10%程度なのです。
これを明らかに安定して上回る投資であれば、すでに有名になっています。
それほど有名でもない個人や会社が、月利7%や年利20%、40%などと、そんな爆益をあげられるはずがありません。
せいぜい、われわれ一般的が手に入れることができる年利回りは、7%程度がいいところです。
月利7%の詐欺案件は、7という数字こそ同じですが月利と年利を見間違え、焦って買ってしまう人を一部狙っているものです。
まずは相場以外の案件に安易に乗らないことです。
2.ネットや雑誌、書籍に載っているかどうかを確認する
教科書的な投資手法として確立しているかどうかは、初心者にとってとても重要です。
ある程度教科書的な手法、古典的な手法となっていない手法を紹介された場合、ほぼ100%詐欺です。
とくに、あなただけに、こっそりと、今のうちに、などという口コミ文句で紹介される投資手法は、詐欺師の常套句ですので注意が必要です。
これだけの情報化社会において、どの人も使っている、確立された手法であれば、必ずネットに紹介されています。YouTubeをみれば、詳しい解説動画もいくつもアップされています。
より手堅さを確認するならば、書籍で何冊も解説されているかを確認するのがよいと思います。間違いない手法、しっかりとその方法で財を築いている人がいる手法なら、必ず何冊も書籍で解説されています。
もし知らない手法が目の前に現れたとして、書籍やネットを調べ、検索されたら、ただ単にあなたが知らなかっただけです。
しかし詐欺師はネットや書籍にない手法を紹介し、まだ広まっていないから、とか、秘密の方法だから、などと説明してきます。
投資初心者にとって、誰もがやったことがない手法から投資を開始することほど、危ない方法はありません。
そして、これは投資中級者や歴の長い人であっても注意すべきことです。ある程度投資の知識を身につけてしまうからこそ、自分の持つ情報を過信してしまい、目新しい手法に手を出してしまう。ということもあるからです。
儲かる投資手法は、逃げません。株や投信、不動産がいつまでも廃れないように、今すぐに取り組まなければ儲けられないなどという手法はないのです。
慎重に、手法の確立度が高いのかどうか?書籍やネットで解説され、たくさんの人が研究しているような方法の投資なのか?こういったことをきちんと調べましょう。
早く始めなきゃ、というその前に、少なくとも検索をかけて、調べてみましょう。よく調べもせずに、目新しい手法や、紹介された投資をはじめて、もしポンジスキームだったら、そもそもあなたの種銭ごと吹っ飛んでしまいます。
3.引き揚げられる出口を確保しておく
まとめ 投資で重要なのは、生き残ること
ここまでの話をまとめると
1. 1.相場を知り、相場から大きく外れる儲け話には乗らない
世界一の投資家、ウォーレンバフェットですら、年平均利回り22%、米国主要500社の株式指数を集めたs&p500ですら、年平均利回りは10%なのです。自分を初心者と思うなら、これを大きく上回る利回りを語る商品には、手を出さない方が良いでしょう
2.ネットや雑誌、書籍に載っているかどうかを確認する
投資の世界には、教科書がありません。だからこそ玉石混交に情報が錯綜するのです。すでに確立している手法は、ネットはもちろん雑誌や書籍にて紹介されています。株式投資や不動産投資の本が図書館に立ち並んでいるのは、そのためです。ポンジスキームは、儲けの仕組みがよくわからないことが多いですので、確立されている手法なのかをよく確かめるのがよいかと思います。
3. 引き揚げられる出口を確保しておく
それでも騙されてお金を出してしまうこともあるかも知れません。ですので脱出策を練った上で投資するのがベストです。少額から始める。すぐに投資先からお金が引き出せるか確認しておく。定期的にお金を出し入れして、チェックする。その手法一本に絞らない、など、自分なりの脱出ルールを作って投資しましょう。
兎にも角にも、投資で大切なのは、勝つことではありません。生き残ること、継続することです。投資は、撤退したらおしまいですが、撤退せずに正しい資金投下をすれば、必ず増えるのですから、生き残ることこそが大切なのです。
そのために備えなければいけないのは、浪費や暴落と同じく、騙されないことです。
なぜこんなにこの話題にこだわるかといえば、僕自身も数多く騙されてきたからです。
浪費や暴落は自分で手仕舞いをコントロールできますが、騙されてしまうと、お金を失うどころか、借金も増えてしまいます。お陰でたくさんの資金を失いました。
それでも、まだ生き残っています。生き残って出資さえ続ければ、またじわじわと増えてくるのがお金です。
僕も裕福ではありませんが、それでも生き残って、何度も何度も投資先を変え、コツコツ投資を続けています。
その度に洗練された投資先が増えていきます。それらを持っているからこそ、生き残ることができているのです。
生き残っている限り、必ずお金は増える。増えたお金が毎月の生活費を上回れば、豊かになっていくのです。
ポンジスキームはあくまで代表的な騙しのテクニックですが、騙す人は沢山いますし、その手口はもっと巧妙です。
ぜひ一度の失敗で資金を吹き飛ばさないよう、騙しの手口をかいくぐってくたさい。